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実証実験の成果報告をするチャレナジー代表取締役の清水敦史氏

 「湿気と塩害に苦労し、錆の問題に悩まされた。しかし、過酷な自然環境との戦いを経験して貴重なノウハウを得た」――。垂直軸型マグナス風力発電機を開発しているベンチャー企業のチャレナジー(本社東京)は、2016年12月4日に出資企業向けに実証試験成果報告会を開催。同社代表取締役の清水敦史氏が、沖縄県南城市で2016年8月から始めた実証試験の結果と今後の展望について語った。  垂直型マグナス風力発電機は、流体中の回転体に働く「マグナス力」を利用して発電機を回す。回転体の回転速度を制御することで発電機の主軸の回転速度を任意に変えられるので、台風のような強風下でも発電できるとして期待されている(関連雑誌記事12関連コラム)。

 実証試験機は出力1kWで、高さ3mほどの円筒の回転体を3本備える。初の屋外試験だったため、沖縄特有の高い湿度と塩害で「いろんなところに錆が発生」(同氏)。塩害による腐食で回転体を回すモーターが故障したこともあったという。「バッテリーボックスに巨大な蜘蛛が入り込んだり、大きなカタツムリがいたりと、生態系との戦いにも悩まされた」(同氏)。

 加えて、実証試験は「異常気象との戦いでもあった」(同氏)という。台風が多く上陸することから沖縄を実証試験の地に選んだものの、2016年に日本に来た25個の台風のうち、南城市に到来したのは2つだけだった。それでも、1つ目の台風13号の接近時には最大風速25m/s程度の環境下での発電を達成できた。2つ目の台風の際はモーターの故障により発電はできなかったが、停止実験に切り替えて強風下でも暴走しないことを確認したという。「発電量は平均ではマイナスに近い。ただし、最初の試験ということで出力を抑え気味の設定だったので、次回はもっと出力が出る条件でチャレンジしたい」(同氏)としている。