事業スキーム
(出所:ISEP)
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資金調達スキーム
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完成予想イメージ
(出所:ISEP)
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 福島県富岡町で計画されている出力約33MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の起工式が11月29日に開催された。環境エネルギー政策研究所(ISEP)が公表した。市民から出資を募るほか、地元金融機関主体による融資など、地域主導のスキームが特徴。

 総事業費は約92億円。SPC(特定目的会社)である「さくらソーラー」に対し、富岡復興ソーラー合同会社が8000万円を出資し、三井住友信託銀行と東邦銀行をアレンジャーとするプロジェクトファイナンスで最大88億5000万円、福島富岡グリーンファンド合同会社が劣後ローンとして6億円を融資した。

 富岡復興ソーラー合同会社に対しては、復興支援事業を担うために地域住民が立ち上げた一般社団法人・富岡復興ソーラーが4000万円を出資したほか、ISEP、宮城生協などが出資した。劣後ローンを提供する福島富岡グリーンファンド合同会社は、一般市民から匿名組合出資の形で、出資者を募集する。

 三井住友信託銀行と東邦銀行をアレンジャーとするプロジェクトファイナンスには、福島銀行、大東銀行、あぶくま信金、城南信金がシンジケート団として参加した。

 EPC(設計・調達・施工)サービスとO&M(運営・保守)は日立製作所が担当し、太陽光パネルは中国JAソーラー、パワーコンディショナー(PCS)は日立製を採用する。SPCの管理はISEPが担う。太陽光パネル容量は32.839MW、連系出力は27.72MWとなる。2016年11月に着工し、2018年3月に完成する予定。

 富岡町は、いまだ全町避難が続いている。事業用地である約34万m2は、農業振興地域内の農用地だが、東京電力福島第一原発の事故による放射性物質汚染で、農地として使えない状態になっている。こうした土地を太陽光発電所に有効利用し、その収益を地域住民の生活再建を支援する目的で、メガソーラープロジェクトが計画された。住民が主体となって立ち上げた太陽光発電事業として、国内最大規模になるという。

 売電収益は、富岡復興ソーラーを通じて、高齢者の送迎サービスなどの福祉支援や、暫時的な農業支援などの復興事業に使われる計画。