楢葉新電力合同会社の猪狩克栄社長
(出所:楢葉町)
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 東邦銀行は、福島県楢葉町に建設する出力11.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業のプロジェクトファイナンスに対して、総額49億7960万円の協調融資(シンジケートローン)を組成し、10月31日に第1回目の融資を実行したと公表した。

 発電所の名称は、「波倉メガソーラー発電所」。事業用地は、楢葉町波倉地区の農地だったが、東日本大震災とその後の原発事故に被災したため、津波による塩害や放射性物質による汚染で、営農が困難になっていた。農地転用により、太陽光発電事業に活用する。今年3月に起工式を開催し、2017年11月に操業を開始する予定。

 発電事業の主体は、SPC(特定目的会社)の楢葉新電力合同会社(楢葉町)となる。楢葉町が2億7000万円を「一般社団法人・ならはみらい」に拠出し、同法人と東芝がSPCに出資した。一般社団法人・ならはみらいは、楢葉町の設立したまちづくり会社。アセットマネジャーは、TSMアセットマネジメントが担当する。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは東芝で、太陽光パネルは東芝製の単結晶シリコン型(270W/枚)、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用する。太陽光パネルの設置容量は13.792MW、連系出力は11.5MWとなる。

 東京電力グループの福島第二原子力発電所の送電線に接続し、発電電力の全量を同グループに売電する。買取価格は32円/kWh(税抜き)。

 今回のプロジェクトは、福島県再生可能エネルギー復興推進協議会と協定を締結するなど、被災地域の復興に寄与する事業であることから、福島県内の金融機関のみでシンジケート団を組成したという。主幹事である東邦銀行のほか、あぶくま信用金庫と相双五城信用組合が参加した。

 楢葉町は2015年9月5日に避難指示が解除されたが、現在でも帰町した町民は今春時点で約6%に留まっている。「波倉メガソーラー発電所」の稼働によって、一般社団法人・ならはみらいが受け取る配当は年間数千万円が見込まれ、町民の生活再建事業などに活用する方針だ。