実証事業のイメージ
(出所:NEDO)
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 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は11月22日、ポルトガルの国立エネルギー地質研究所(LNEG)と共同で、「自動デマンドレスポンス(ADR)」の実証事業を実施することに合意し、基本協定書(MOU)を締結したと発表した。

 ADRとは、自動運転管理型のデマンドレスポンス(DR、需要応答)で、手動型のDRに比べて、需要管理の確実性が高まる。再生可能エネルギーの大量導入に伴い、需要の能動化による需給バランス改善が模索されるなか、有望な手法として期待されている。

 NEDOとリスボン市は、リスボン市庁舎などの施設を実証サイトとすることに合意し、施行協定書(IA)を締結した。
 
 同実証事業は、ダイキン工業に委託し、ポルトガル側のパートナー企業と共同で、リスボン市庁舎などに蓄冷機能を持つビル用マルチエアコンを設置し、空調によるADRの電力需給調整機能と、それを用いた電力小売事業者向けの事業モデルを実証する。

 ポルトガルは、再エネの導入を積極的に進めており、欧州でも有数の大量導入国となっている。全電力消費に対する風力発電や水力発電など再エネの割合は、2015年時点で既に風力単独で22%、再エネ全体で48%に達している。

 今年の5月には連続107時間にわたり、国内のすべての電力消費が再エネで賄われたことが記録された。今後の風力発電や太陽光発電のさらなる導入のために、再エネの大量導入に伴う電力需給安定化のニーズが高まっている。

 従来の手動のDRは電力需給調整量の不確実性が問題とされてきた。今回の実証ではDRを自動化することで電力需給調整量の確実性を向上させ、再エネの大量導入に伴う需給バランスの改善に活用する。

 具体的には、ダイキン工業を委託先として、ポルトガル側パートナーであるEDP、EFACEC、everis Portugalと共同で、2019年12月まで実施する予定。実証サイトとしてリスボン市内の市庁舎や研究所など複数のビルに、一部、蓄冷システムを装備したビル用マルチエアコンから構成される実証システムを構築し、ADR技術の機能を検証する。

 検証結果を踏まえ、欧州の他地域におけるDRによる電力需要調整機能の事業性も評価する。また、実ビジネスに近い形でADRを評価するため、現地の電力小売事業者やVPP(仮想発電所)サービス事業者の協力も得るという。