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再エネ・地域還元で寺院が集結、宗派を超えた「おてらのでんき」

2018/11/16 11:07
工藤宗介=技術ライター
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宗派を超えてお寺が連携した
(出所:TERA Energy)
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 宗派を超えた有志僧侶らが電気小売事業者TERA Energy(京都市)を設立した。社会貢献に取り組む全国7万の寺院コミュニティのサポートを目的とした地域還元型の再生可能エネルギー電力小売事業「おてらのでんき」を2019年4月から開始する。10月25日に発表した。

 「おてらのでんき」は、広告料や経費などの経営費の削減によって割安な電気を顧客に供給するとともに、収益の一部から地域貢献に向けた費用(お寺サポート費と社会貢献費)を捻出する。地域新電力設立・運営にノウハウと実績を持つみやまパワーHD、地球温暖化防止に取り組むNPO(非営利団体)の気候ネットワークの支援を受けた。

 電源構成は当面、再エネが20%、中国電力が50%、残りはみやまパワーHDを含む新電力会社からの調達で賄う計画。このほかにも、再エネ取引証書と組み合わせた「再エネ100%メニュー」や、「RE100」施設を応援していく活動も計画している。

 再エネ電源は主に太陽光発電で、当初はみやまパワーHDから調達する。また、寺院コミュニティを形成する檀家向けに太陽光パネルを初期投資不要で設置するサービスを開始して比率の拡大を目指す。このほかにも、地域にある小水力発電からの電力調達も検討している。

 社会貢献では、地域の寺院によるハブ機能(寺院→門信徒→地域住民)を活用し、世代を超えた持続可能な地域コミュニティ作りと災害に強いまちづくりの支援や、仏教を背景とする社会的困窮者を支える団体の支援などを推進する。

 電気料金の試算では、毎月400kWhの電気を利用する場合、中国電力の従量電灯Aプランと比較して年間約2496円(約2%)割安になる。また、家庭の電気使用状況をグラフで確認できる電力の見える化サービスも提供する。

 お寺サポート費は、檀家50件の寺院コミュニティの場合は年間約27万円、檀家50件の場合が年間約54万円、檀家200件の場合は年間約108万円、檀家300件の場合は年間約162万円程度になる見込み。社会貢献費は別途2020年度から、同社が関心を持つ自死と環境保全を中心とした社会課題のために使用する予定。

 同事業に賛同する寺院の所属宗派は、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、真宗興正派、臨済宗妙心寺派、高野山真言宗、真言宗智山派、曹洞宗(2018年10月25日現在)。仏教を拠り所とする近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」に「未来よし」を加えた「四方よし」を実践し、地球環境保全や脱炭素社会の実現に向けた「日本仏教モデル」を確立するとしている。

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