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太陽光と水素で「CO2排出ゼロ」、日本郵船のコンセプトシップ

2018/11/15 00:44
工藤宗介=技術ライター
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NYKスーパーエコシップ2050
(出所:日本郵船)
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 日本郵船グループは、船舶の脱炭素化に向けた新コンセプトシップ「NYKスーパーエコシップ2050」を考案したと発表した。太陽光パネルを搭載し、燃料には再生可能エネルギー由来の水素を使用することで「CO2排出量ゼロ」を実現する。

 自動車専用船をモデルにした2050年のコンセプトシップ。再エネ由来の水素を燃料とし、排熱も利用する高効率な燃料電池システムを用いて推進する。太陽光パネルの設置により長距離の航海にも対応できる。

 空気を船底に送り込み泡を発生させて海水の摩擦抵抗を減らす空気潤滑システムや、従来のプロペラの代わりに複数のフラップ状のフィンをイルカの尾のように動かす高効率な推進装置などにより、現在運航される一般的な艦船と比べて70%のエネルギー削減が可能という。

 船体構造には数学的・力学的に最適化された形状を採用し、軽量化のために素材には複合材などを使用する。軽量になると、船体が不安定になるため、コンピューター制御のジャイロスタビライザーなど、揺動を軽減する装置を導入し、安定性を維持する。

 このほかにも、船体の状況をデジタル上に再現するデジタルツイン技術により、陸上専門家によるリアルタイムな分析、事故や不具合を未然に防ぐ最適な整備計画を立案する。船体の大きさは、全長199.9m、全幅49.0m、計画喫水9.0m、エアードラフト31.0m。

 同社グループが2018年度からスタートした中期経営計画「Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green」の取り組みの一環。日本郵船の100%子会社であるMTI(東京都千代田区)とフィンランドの船舶技術コンサルタント会社Elomaticが2009年に共同発表した「NYKスーパーエコシップ2030」の要素技術を見直した。

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