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九電の出力制御が2巡目に、旧ルールの高圧事業者の1割が不実施

2018/11/14 11:11
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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10月21日の前日に予想した需給バランスと出力抑制量
(出所:九州電力)
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 経済産業省は11月12日、新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(WG)を開催し、九州電力の実施している太陽光と風力発電に対する出力抑制(出力制御)の状況と電力広域的運営推進機関(以後、広域機関)による検証結果を公表した。

 九電は11月12日までに九州本土で合計8回、出力抑制を実施した。指令を出した抑制量は合計で659万kWとなり、抑制対象全体の約440万kWを超えている。このため、すでに指令は2巡目に入っているという。

 九電管内には、旧ルール事業者の抑制対象者は約2000件(約330万kW)、指定ルール事業者の抑制対象者は、約2万2000件(約100万kW)となっている。これまで両ルール事業者とも、発電所あたりの抑制回数は同程度になっており、公平性を確保しているという。

 ただ、旧ルール事業者のうち、現地操作で稼働を停止する高圧連系案件の事業者のうち、毎回1割程度が、出力抑制を実行していない状態という。指示を出しても未実施だった事業者については、次回の抑制指令に加えることにしており、これまでのところ2回目の指令には稼働停止を実行しているという。

 出力抑制の実施後には、広域機関が指令の適正性を検証することになっている。同機関は、抑制量が118万kWと多くなった10月21日を検証対象日とし、検証した。確認したのは、(1)抑制指令を出した時点で予想した需給状況、(2)優先給電ルールに基づく抑制(下げ調整力確保)の具体的内容、(3)抑制を行う必要性――の3つとなる。

 今回の系統WGでは、広域機関から検証した内容が示され、「太陽光・風力の出力を的確に想定し、下げ調整力不足が見込まれた今回の抑制指令は、適切である」とした。

 こうした説明に対し、委員からは、「本土で最初の出力抑制であったが、全体として大きな混乱なく実施された」と評価する意見が多かった一方、「優先給電ルールに基づくプロセスが技術側面から適切に実施されたことは確か。しかし、卸電力市場が抑制時に適切に応答していたかという視点から検証が必要」との指摘があった。

 本来、出力抑制の状況下では、理論的には卸電力価格がゼロになる。実際に十分に安くなっていれば、今後、そういた過去実績から学習し、需要が増える方向になり、再エネの出力抑制量が減る可能性がある。今後、こうした出力抑制と卸電力市場の応答性に関して、別の審議会などでも検証されそうだ。

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