非化石価値取引市場のイメージ
(出所:経済産業省)
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新市場による国民負担軽減のイメージ
(出所:経済産業省)
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2つの非化石証券の持つ価値の違い
(出所:経済産業省)
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既存の類似制度との整理
(出所:経済産業省)
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新市場での取引スケジュールのイメージ
(出所:経済産業省)
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 経済産業省は11月9日、電力システム改革貫徹のための政策小委員会・市場整備ワーキンググループ(WG)を開催し、創設を予定している「非化石価値取引市場」の概要に関して事務局案を提示した。「非化石」のうち、再生可能エネルギーを指定できる制度にした。

 「非化石価値取引市場」は、化石燃料を使った火力発電以外の電源の環境価値を電気自体から分離して「非化石証書」として取引する仕組み。具体的には、原子力発電と再生可能エネルギーによって発電した電気が対象となる。
 
 経産省は、2030年のベストミックス(望ましい電源構成)に規定した非化石電源(原子力・再エネ)の比率である44%を達成するため、エネルギー供給高度化法を活用する。同法では、小売電気事業者に2030年に非化石電源44%以上の調達義務を課す方針だ。非化石価値取引市場を創設して、小売電気事業者が同市場から非化石証書を購入することで調達したと見なし、義務量を達成しやすくする。

 非化石証書は、「再エネ指定」と「指定無し」の2タイプを可能とする。両タイプとも非化石価値(ゼロエミッション価値)は同等で、エネルギー供給高度化法の義務量達成に活用できる。加えて、「再エネ指定」の場合は、需要家に対して、電源構成とは別に「実質再エネ100%」などの表現で、再エネ由来の環境価値を表示できる。

 FIT電気の持つ環境価値を顕在化させて、需要家への訴求手段とすることで、取引を促し、それによって得られた売却益を賦課金に充てることで、国民負担を軽減する。その場合のFIT電源由来証書の売り手は、費用負担調整機関となる。一方、非FITの非化石電源(原子力、自家消費型の再エネ)は発電事業者が証書を売却し、事業収入となる。

 経産省は、まず、非化石価値取引市場を整備した後、エネルギー供給高度化法による調達義務量を段階的にどのように割り当てるかを決めていくとしている。非化石証書が取引市場でどの程度の値付けになるかは、原子力と再エネの稼働状況とエネルギー供給高度化法で小売事業者に課す調達義務量の需給バランスに左右されることになる。

 「非化石証書(再エネ指定)」は、「無指定」にない「再エネ表示価値」が付加されるため、無指定よりも高い市場価格になる可能性もある。ただ、こうした表示価値は、「Jクレジット」「グリーン電力証書(グリーンエネルギーCO2削減相当量認証制度)」でも代替可能であることから、既存の証書制度による値付けと同水準になる可能性が高い。