P2Gシステム実証プロジェクトのイメージ
(出所:山梨県企業局)
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 山梨県、東レ、東京電力ホールディングス、東光高岳は11月4日、CO2フリーの水素エネルギー社会実現に向けた「P2G(Power to Gas)システム」の技術開発と実証研究を連繋して推進するため、協定を締結したと発表した。

 「P2Gシステム」とは、再生可能エネルギーの電力から水素を製造し、貯蔵・利用する仕組み。長期間の貯蔵や輸送が可能な水素の特性を生かし、天候の変化によって変動する再エネの電力を安定的に活用するシステムとして期待されている。

 山梨県は、甲府市の米倉山太陽光発電所で出力10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を東京電力と共同で運営している。加えて、隣接する見学施設「ゆめソーラー館やまなし」では、屋根上の太陽光発電(出力20kW)から水素を製造・貯蔵し、燃料電池システムで利用する実証施設を運用してきた実績がある。

 今回、協定を結んだ4社は、こうした実証施設のある米倉山エリアで、太陽光発電の電力から年間45万Nm3(計画値)の水素を製造・貯蔵し、利用するP2Gシステムの確立を目指す。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業に共同で申請し、今年9月27日に採択を受け、技術課題の明確化などを含めた基礎的な検討に着手した。

 今回の実証事業では、来年6月頃に予定されているステージゲート審査を通じて技術開発フェーズへの移行が判断される。この結果を踏まえ、2020年度末まで、技術開発と実証研究を行っていく計画という。

 同事業を通して、山梨県は、電力系統安定化対策として電力貯蔵技術の開発を推進することで再エネの導入を促進する。並行して県内にP2Gシステムに関する技術開発・実証研究の拠点を整備することで、関連産業の振興を目指す。

 参加企業のうち、東レは、電解質膜や電極基材など、燃料電池や水電解向け材料の開発を担当する。東光高岳は、再エネによる水素製造を行う電力設備の設計・エネルギーマネジメントシステム(EMS)を担当する。