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太陽光向け環境アセス、対象は「100ha相当の出力」に

「連系出力30~40MW」が対象となる方向に

2018/11/02 19:18
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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FITによる導入済み案件を基にした事業区域面積と発電出力の関係
(出所:環境省)
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FITによる認定案件を基にした事業区域面積と発電出力の関係
(出所:環境省)
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 環境省は11月1日、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の環境影響評価(アセスメント)のあり方に関し、第4回目の有識者会議を開催し、環境影響評価法の評価項目と対象とする規模の要件などに関して、具体的に議論した。

 今回の会合で、規模要件に関する事務局(環境省)案が初めて示された。それによると、「事業区画面積が100haに相当する出力を第一種事業の規模要件とする」とした。

 国の法律による環境アセスは特に影響の大きい「第一種事業」と、これに準じる規模を有し、影響の著しい「第二種事業」に区分しており、太陽光の場合、「第一種事業に0.75を乗じた値を第二種事業として設定する」との案を示した。

 「100ha相当」を採用した理由は、今回の太陽光向け環境アセスメントを検討するに当たり、参考にすべきとした「面整備事業」において、100haを規模要件にしていることなどを挙げた。また、第二種事業で0.75を乗じることに関しては、「準じる規模」について、他事業で法令によりすでに0.75と定められているため、その数値をそのまま適用した。

 規模要件の単位に関しは、すでに太陽光発電を対象にしている条例による環境アセスメントでは、「面積(ha)」で定めている。これに関し、事務局は、「(国の)法による環境アセスメントでは、発電所の許認可を行う電気事業法の審査に直接、反映させることから、電気事業法上の区分である出力(kW)を規模要件とするのが適当」とした。

 こうした考え方を前提に、事務局では、「100ha相当の出力規模」を2つのデータから近似式で算出した。固定価格買取制度(FIT)により、すでに導入済みの案件を元にした場合は「32MW」、認定済み案件のデータを基にした場合は「36MW」となった。この場合のデータは、他の電源と同様、電力系統に連系している出力を採用しているため、メガソーラーの場合、太陽光パネルの出力ではなく、パワーコンディショナー(PCS)の出力となる。

 こうした事務局案に対し、「100ha」を採用することに関しては、ほとんどの委員が賛同したものの、「100ha相当の出力」を規模要件にすることに関しては、異論も多かった。

 主な意見では、「メガソーラー出力と用地面積の関係については、パネル設置の考え方や地形によりバラツキがかなり大きい」、「PCS出力より多くの太陽光パネルを設置する過積載が一般的になっているなか、30MW以下でも事業面積が100haを大きく超えることも考えられる」、「100haといっても平坦な土地と傾斜のある山間では、環境影響の大きさはまったく異なる」、「アセスを回避するために発電所を分割するようなケースにはどう対応するのか」などの懸念が出た。

 こうした議論のなか、規模要件の指標に関しては、「本来、面積自体を指標にすべきだが、電気事業法との関係から出力指標が前提になる場合、出力を基本にしつつ、100haを超えるものも含めるなど、面積指標を併記する方法も検討すべき」など、事務局案に修正を求める意見も出された。

 今後、来年1月中に最終的な事務局案が提示されて再度、有識者会議で議論し、今年度内には報告書としてまとめる予定になっている。事務局では、最終的に決定する前にパブリックコメントを公募するとしている。

 今回の会合で「100ha相当」の連系出力として、30~40MWが採用される方向が示されたものの、「面積」指標も重視する委員の意見を何らかの形でくみ取るのか否か、今後、出される事務局案が注目される。

 条例による環境アセスメントは1年程度で終了するのに対し、国の法律による環境アセスメントでは、通常3~4年の期間を要する。法によるアセスの対象となった大規模案件に関しては、開発期間が長期化するのは必至で、事業開発リスクが高まることになる(関連記事:環境省、太陽光に環境アセス、規模に応じて3段階、水上設置型も議論)。

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