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NEDO、ドイツで系統蓄電池を実証、LiイオンとNASを併用

2018/11/02 17:38
工藤宗介=技術ライター
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ハイブリッド蓄電システム
(出所:NEDO)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と日立化成、日立パワーソリューションズ、日本ガイシが手掛けているドイツ・ファーレル市の大規模ハイブリッド蓄電池システムが完成し、11月1日から実証運転を開始した。電力の需給バランスをより経済的に調整し、再生可能エネルギーの大量導入が進んだ電力系統の安定化に貢献することを目指す。

 高出力の充放電が可能な日立化成製のLiイオン電池(出力7.5MW/容量2.5MWh)と、大容量で長時間の充放電が可能な日本ガイシ製のナトリウム硫黄(NAS)電池(4MW/20MWh)の2種類の蓄電池を組み合わせた。

 日立パワーソリューションズ製の系統情報制御システム(GCS)を用いて、電力安定化に有効であることを検証する。GCSは、両電池の運用管理に加えて、地域電力会社EWE AGの電力取引システムと連携して電力需給の情報をやり取りし、効率的に運用する。

 また、従来の火力発電の代替機能として需給調整(Primary Control Reserve供給、Secondary Control Reserve供給)、バランシング・グループ内でのバランシング、ローカルな電圧安定化に寄与する無効電力供給の各機能を実装した。EWE AGグループの電力取引システムを通じて電力を取引する。EWE AGグループが代表幹事を務める大規模再エネ導入対策プロジェクト「eneraプロジェクト」と連携してドイツ側の需給リソースと組み合わせたVPP(仮想発電所)を構成し、その電源も電力取引に活用する。

 ドイツでは、2050年までに国内電力需要の80%以上を再エネに代替するエネルギー転換政策「Energiewende」を掲げ、風力や太陽光発電などの導入を積極的に進めている。その一方、これまで一定の周波数を維持する役割などを担っていた火力発電などが使われなくなっているため、火力発電の役割を代替する技術へのニーズが急速に高まっているという。実証事業は2020年2月まで実施する。

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