2016年度のシステム費用の分布
(出所:経済産業省)
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非住宅太陽光の設備利用率
(出所:経済産業省)
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過積載率(平均値)の推移
(出所:経済産業省)
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 今年度3回目となる調達価格等算定委員会が11月1日に開催され、来年度の太陽光の買取価格を決める上での想定コスト、「運転開始期限」を超過した場合のペナルティなどに関し、経産省案が示された。非住宅太陽光については、設備利用率の向上が、買取価格を下げる方向に働く。

 住宅太陽光(10kW未満)のシステム費用(中央値)は、2016年に36.7万円/kWと、2015年よりも約1.2万円/kW下がった。すでに目標値として「2019年30万円/kW」が示されているため、トップランナー的なアプローチで、より低いコストを前提に買取価格を算定していく方向性が了承された。

 固定価格買取制度(FIT)の見直しにより、住宅太陽光については、複数年度の買取価格をあらかじめ決定することも、選択肢となった。ただ、実際に複数年度の買取価格を決めるか否かに関しては、今回の会合では、「買取価格の水準によって市場価格が大きく下がっていく現状を考慮し、あらかじめ複数年の買取価格を決めて、コストダウンを誘導すべき」(山地憲治委員)、「太陽光パネルの価格が急激に下がっている現状では、複数年の価格を決めてしまうと、かえってコストダウンを阻害する」(高村ゆかり委員)と、委員によって考え方が分かれた。

 非住宅太陽光のシステム費用は、すでにトップランナー的な要素を導入し、「1MW以上の上位25%の値」を採用してきた。この値を見ると、2016年は24.4万円/kWとなっており、2015年の25.1万円よりも0.7万円下がった。非住宅太陽光の2020年におけるシステム費用の目標値は、「20万円/kW」となっていることから、これに向け、今年度の想定値を段階的にさらに低く設定するか、否かが焦点になる。土地造成費、運転維持費に関しては、昨年度と同様の想定値が示された。

 設備利用率については、2014年7月~2015年6月と2015年7月~2016年8月を比較すると、10kW以上全体で13.5%から13.8%、1MW以上で14.6%から15.1%、1MW以上2MW以下で14.6%から15.0%、2MW以上で15.2%から16.3%に、それぞれ上昇した。これらの上昇は、平均で120%程度の「過積載」(連系出力を上回るパネル容量を設置する設計手法)が進んでいることが背景にある。

 こうした上昇分を買取価格の算定に考慮することに関して、概ね了承が得られた。昨年度の設備利用率の想定値(14%)を、今年度は15%程度に引き上げる可能性が高い。システム価格の低下と設備利用率の向上によって、次年度の非太陽光の買取価格は、引き下げ方向であることが示された格好だ。

 一方、改正FIT法によって設けられた「運転開始期限」(住宅太陽光1年、非住宅太陽光3年)を超過した場合の対応に関しては、「買取期間を超過期間分だけ月単位で短縮」という事務局案が示され、了承された。入札制度で焦点になっている入札対象の規模、入札量、上限価格については、来年度の買取価格の議論を踏まえ、次回以降の会合で示されることになった。