EVや太陽光を活用したエネルギー管理システムの概要
(出所:三菱電機)
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エネルギー管理システムにおける電力コスト最小化のイメージ
(出所:三菱電機)
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計画補正方法のイメージ
(出所:三菱電機)
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 三菱電機は10月25日、駐車中の電気自動車(EV)や蓄電池などの蓄電設備と、太陽光発電などの発電設備を組み合わせた事業所向けエネルギー管理システム(EMS)を開発したと発表した。

 EVなどの充放電スケジュールと太陽光などの発電設備の運転を最適化することで建物の電力コストを削減する。1000人規模の工場における電力量の約10分の1に相当するモデルで、EV10台を活用したシミュレーションにより電力コストを1日あたり5%削減することを確認したという。

 従来のEMSは、電力需要があらかじめ設定したしきい値を超えた時にEV電力の放電を制御するため、EVの使用予定が急に変わると電力単価が高い時間帯に予定外の充電が行われる恐れがあった。

 また、太陽光の発電量や電力需要の1日計画時の予測とのかい離が大きくなった場合に計画を補正する際、EVの到着遅れや到着時の充電量不足を想定していないため、結果的にピークカットを達成できず電力コストが増加する課題があった。

 今回開発した技術では、建物の敷地内に駐車中の複数台のEVと、太陽光などの発電機を連携させ、電力需要や太陽光の発電量を予測し、電力コストの最小化を目的関数とした最適化計算によってピークカット・ピークシフトを実現する。契約電気量・電気料金単価・電力需要・EVの使用予定などを入力し、契約電力量などの受電電力容量・受電バランス・蓄電池の最大・最小充放電量などを制約条件として、独自モデルを組み込んで数理計算法によって各電源設備の運転計画や充放電スケジュールを策定する。

 また、1日数回に24時間先までの充放電計画を策定する「1日計画」、数分周期で数時間先までを策定する「計画補正」、数秒周期で策定する「制御指令」を組み合わせて、系統からの購入電力やEVの充電量を監視しながら、策定済みの充放電計画からの予測のずれやEVの使用予定のずれを修正し、運転計画や充放電スケジュールの精度を改善する。例えば、EV1台の到着が遅れた場合、駐車中のEVからの放電を増やして購入電力を増やさないよう調整するため、計画時と異なる状況でも電力コスト増加を抑制できる。

 同技術の運用形態のひとつとして、EV普及が見込まれる中国でのフィールド実証実験を11月から実施するという。