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浪江町の「帰還困難区域」にメガソーラー建設、芙蓉総合リース

2018/10/29 07:00
工藤宗介=技術ライター
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浪江町復興整備計画において太陽光発電所を計画
(出所:浪江町復興整備計画)
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 芙蓉総合リースは10月23日、同社の連結子会社である合同会社浪江酒井ソーラーが福島県浪江町酒井地区の「帰還困難区域」でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設工事を開始したと発表した。2020年2月に商業運転を開始する予定。

 発電所の名称は「酒井第一太陽光発電所 」(太陽光パネル出力32.6MW、連系出力20MW)と「酒井第二太陽光発電所」(同27.3MW、連系出力16MW)。年間発電量は合計約6027万kWhの見込みで、一般家庭約1万6700世帯分に相当する。

 太陽光パネルはシャープ製、パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー製を採用する。EPC(設計・調達・施工)サービスはシャープエネルギーソリューションが担当する。

 発電した電力は、福島発電(福島市)や東京電力が出資する福島送電(同)が建設中の送電線を通じて東京電力管内に送り、東京電力パワーグリッドに全量売電する。固定価格買取制度(FIT)の売電単価は24円/kWh。

 事業用地は遊休農地で、浪江町復興整備計画に基づく復興事業として農地転用を行った。施工にあたり国などが実施している除染作業は行わないが、立地行政などと相談のうえ事業者自らが空間線量低減対策工事(環境整備工事)を行う計画という。同工事は、汚染土壌を外部に搬出せずに反転耕、天地返しなどにより空間線量を低減させる。

 施工・運営にあたり、浪江町から公益目的の一時立ち入り許可を受けた。従業員が敷地外に退出する際は、必ずスクリーニングを行い、必要があれば除染を行う。従業員全員が線量計で被ばく量を計測し、1回の立ち入りあたり1mSv以内、直近1年間で20mSvを超えないよう管理する。また、完成後の運営では、保守員は常駐せず、Webモニタリングで遠隔で監視するとともに、定期的なメンテナンス作業を行うとしている。

 同発電所の建設資金の一部は、10月5日に発表したグリーンボンドにより調達する計画。同グリーンボンドの発行予定額は100億円で、発行予定時期は11月の予定(関連記事:芙蓉総合リース、100億円のグリーンボンド、太陽光建設で)。

 浪江町では、酒井地区に隣接する谷津田地区にも、三菱総合研究所、三菱UFJリースなどの企業連合が、パネル出力60MWのメガソーラーの建設を始めた。谷津田地区は、居住制限区域だが、2017年3月31日に避難指示が解除された。

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