実証導入を進める「エコミノール」
(出所:日経BP)
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 事業所向け電力システムの研究・開発を手掛けるシオン電機(札幌市東区)は、太陽光電力を自家消費するための電力供給システム「エコミノール」を導入した実証モニターを拡大する。これまで実証導入してきた東北大学など5カ所に加え、設置例を増やして実証データを集めることでさらに改良し、商品化を急ぐ。

 「エコミノール」は、太陽光発電の電力を直流のまま電気設備に供給するDC/DCコンバータ(1ユニット・2kW)と、太陽光電力で不足した場合に商用系統から補うAC/DCコンバータ(1ユニット・3kW)で構成する。負荷となる電気設備は、LED照明とエアコンを想定しており、いずれも直流入力できるように電源ユニットを直流対応に改造する。

 既存の太陽光発電用のパワーコンディショナー(PCS)を介して交流の構内系統に連系する従来の自家消費システムに比べ、太陽光電力の損失を6~7%減らせるという。一般的な太陽光向けPCSと違い、MPPT(最大電力点)制御でなく、パターン制御による独自の手法を採用したため、回路設計がシンプルで低コスト化も可能という。

 オフィスビルの電力需要の約7割を占める空調と照明に対し、太陽光電力を優先的に供給することで、商用系統からの購入電力を大幅に減らせる。東北大学大学院環境科学研究科との共同研究では、エアコン(2kW)とLED照明(0.5kW)の電力需要(稼働時間8~17時)を、太陽光パネル(2.5kW)によって年間平均で66%賄ったという。

 新たな実証モニターとしては、太陽光パネルのほか、小水力発電や燃料電池システムの設置を検討する企業などへの導入を想定している。

 シオン電機は、10月26~29日に名古屋市内で開催の「メッセナゴヤ2016」と10月31日~11月2日に東京都内で開く「産業交流展2016」に出展し、「エコミノール」のモニター希望者を募ることにしている。

 「エコミノール」は、関連特許を国内外で14件取得するなど、事業化に向けた体制を整えつつある。経済産業省・省エネ新エネ大賞の北海道経済産業局長賞のほか、2016年度の北海道地方発明表彰で北海道発明協会会長賞を受賞した。