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今夏の「被災太陽光」集計、大阪・和歌山は台風21号で7%停止

2018/10/24 05:30
工藤宗介=技術ライター
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50kW以上の被災件数
(出所:経産省)
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7月の西日本豪雨の前後で発電量が大幅に落ち込んだ案件
(注:岡山、広島、愛媛、福岡、熊本の5県)(出所:経産省)
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西日本豪雨で被災した太陽光
(撮影:日経BP)
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 経済産業省・資源エネルギー庁は、10月15日に開催した再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会において、最近の自然災害における太陽光発電施設の被災状況を報告した。

 電気事業法上の事故報告義務が課されている50kW以上の事業用太陽光発電では、7月の西日本豪雨では19件、9月の台風21号では21件、9月の北海道胆振東部地震では1件の事故報告を受けた。主な被災内容は、西日本豪雨時では立地地域の土砂崩れなどによる損傷(パネル10件、パワーコンディショナー9件)が多く、台風21号では強風によるパネルの破損(19件)が多かった。

 事故報告義務のない50kW未満の事業用低圧太陽光では、災害前後の発電量の変化を調査した。費用負担調整機関で集計された7月のFIT買取電力量実績によると、西日本豪雨の影響が大きかった岡山、広島、愛媛、福岡、熊本の5県で発電量が前月比4.398MW(0.2%)落ち込んだことが確認された。

 また、NTTスマイルエナジーの調査によると、台風20号の通過後12都県(山形、茨城、東京、新潟、山梨、滋賀、奈良、和歌山、岡山、福岡、長崎、鹿児島)で調査対象の1%以上の太陽光が長期に発電を停止した。特に、新潟では2.2%、滋賀では1.8%、和歌山では2.1%、長崎では2.0%、鹿児島では1.8%と、2%近い案件が長期に発電を停止したという。

 さらに、台風21号通過後8府県(山形、新潟、福井、岐阜、三重、京都、大阪、和歌山)で1%以上の案件が長期に発電停止。特に大阪では7.3%、和歌山では7.1%と、7%を超える案件が長期に発電を停止したという。

 太陽光発電設備はここ数年、台風によるパネル飛散や架台の倒壊など、公衆安全に影響を与える重大な損壊事故が発生している。FIT制度の創設以降、太陽光発電の設置数が急増しており、さらなる被害が懸念されることから、2017年3月に発行された日本工業規格JIS C 8955(2017)では風圧荷重などに関する計算方法が見直された。

 これをもとに、2018年10月1日に電気事業法に基づく電気設備の技術基準解釈を改定した。一定の条件下において、2004年基準と比べて風力係数と風の速度圧を約1.5倍に修正し、設計時に求められる耐風圧性能は約2.3倍(約1541N)が必要となった。

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