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自治体に持ち込まれた太陽光への苦情、「土砂災害」「景観」「水の濁り」

2018/10/23 21:04
工藤宗介=技術ライター
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太陽光発電事業に関して自治体に苦情などがあった項目
(出所:環境省)
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 環境省は、10月12日に開催された「第3回 太陽光発電施設等に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」において、環境アセスメント条例や景観に関する自治体および事業者へのアンケート調査結果を公表した。

 自治体を対象としたアンケートでは、太陽光発電事業に関して苦情や要望書が提出された項目は「土砂災害」が101事業(18%)、「景観」が67事業(12%)、「水の濁り」が52事業(9%)だった。また、一桁%台の項目が多数あり「その他」が20%を占めるなど、多岐に渡ってさまざまな苦情が寄せられていた。

 一方、事業者を対象としたアンケートでは、地域住民を対象とした説明会などで意見を述べられた環境問題は「水の濁り」が17件(18%)と最も多く、次いで「土砂災害」が15件(16%)だった。また、これらの意見に対して93%の事業で対策が実施され、残る7%では影響が小さいと判断され対策が実際されなかった。

 環境アセスメントの実施状況については、環境アセスメント条例に基づき環境アセスメントを実施した事業は5事業、自治体のガイドラインまたは環境配慮指針に基づきまたは自主的に環境アセスメントを実施したのは11事業だった。一方、自主的に環境調査や保全対策を行ったが住民や自治体との意見交換を実施しなかったのは27事業、いずれも実施していないのは7事業あった。

 環境アセスメントなどを実施した事業のうち、景観への影響を調査・予測・評価を行ったのは19事業(43%)だった。手法としては、主要な眺望点から眺望景観についてフォトモンタージュなどを用いた予測が11件(25%)、次いで「その他」(現地調査による確認)が5件(11%)だった。

 このほかにも、動物への影響調査は38事業(88%)で実施し、うち25事業(58%)が文献調査で、13事業(30%)で現地調査が実施された。また、植物への影響調査は14事業(70%)で実施し、うち12事業(60%)で現地調査が実施され、2事業(10%)が文献調査だった。水の濁りの影響で現地調査を行ったのは8事業(19%)にとどまり、大半を占める35事業(81%)では評価対象としていなかった。

 アンケート対象は、自治体は都道府県が47自治体、政令指定都市が20自治体、アセスメント条例などを制定している市など7自治体で回収率は73自治体(99%)、234事業だった。太陽光発電事業者は、条例アセス実施事業者が16事業者、自主アセス実施事業者が4事業者、JPEA会員が26事業者で回収率は18事業者(39%)、51事業だった。

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