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「太陽光の世界市場、2018年は停滞」、台湾の調査会社が予測

グローバル市場で太陽光パネルの供給過剰問題が深刻化へ

2018/10/23 14:16
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 エネルギー関連の市場調査などを手掛ける台湾EnergyTrendは10月9日、グローバル市場における太陽光パネルの需要に関する見通しを発表した。今後は、2013~2017年にみられた平均年間成長率20%以上といった力強い市場成長の可能性は低いとしている(関連記事1)。

図●台湾EnergyTrendによる太陽光パネル価格トレンドの見通し
(出所:EnergyTrend)

 市場が停滞期に入るため、太陽光パネルのサプライチェーンに関わるメーカーは、製造能力の拡張を計画する場合には損失を招くリスクに、より注意すべきだと警鐘を鳴らす。

 同社は有償会員向けに提供しているレポートの最新(3Q18)号において、世界全体で電力系統に接続されている太陽光発電所の設備容量が2018年に約95GWまで増加するとの見通しを示していた。

 しかし、実際の太陽光の需要は、2018年通期で86GWにようやく届くレベルと見込まれている。

 2017年を通じて、中国の太陽光発電事業者の多くは、建設の目標日を延期せざるを得なかった。同じ時期に米国の事業者は、通商法第201条の下で米政府が実施した輸入太陽光パネルに対する調査のために、パネル在庫を事前に積み増しておく必要に迫られた。

 結果的に、「元々2018年に見込まれていたパネルの需要の一部を、2017年に先食いしてしまった」と同社は指摘する。

 太陽電池セル(発電素子)のグローバル製造能力は、2018年に150GW近くまで増加すると見込む。太陽光パネルのグローバル製造能力も、ほぼ同程度まで増加すると見る。全体的に、太陽光産業における供給過剰の問題はより深刻化したという。

 さらに、太陽光パネルのグローバル需給においては、地理的な遷移が起こっているとする。

 具体的には、インドが中国製太陽電池セルに対して2018年第3四半期に公式に発効させた25%のセーフガード(緊急輸入制限)関税(関連記事2)と、欧州連合(EU)が撤廃した中国からの輸入太陽光パネルに対する最低輸入価格(MIP)や反ダンピング税である(関連記事3)。

 これらの政策変更の結果、中国製の太陽光パネルが以前は輸入が禁止されていた欧州地域の市場へ再び流入しつつあると指摘している。

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