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環境省、太陽光に環境アセス、規模に応じて3段階、水上設置型も議論

2018/10/23 12:52
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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環境アセスの全体イメージ
(出所:環境省)
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 環境省は10月12日、太陽光発電施設の環境影響評価(アセスメント)のあり方に関し、有識者会議を開催して本格的な検討に入り、制度全体の枠組みと、評価項目に関して事務局(環境省)案を公表した。

 この会合は、「太陽光発電施設等に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」で今回が3回目。前回は、実際にメガソーラー(大規模太陽光発電所)の現場を視察し、それらを踏まえ今回、初めて具体的な制度の方向性、基本的な考え方を公表した。

 同省は、まず太陽光発電所に対する環境アセスメントの基本的な枠組みとして、規模に応じて3段階とする方向性を示した。

 国内の環境アセスでは、環境影響が著しい大規模な開発案件などに関しては国が全国的な見地から法制度を作っている。そして、同法の対象とならない小規模な事業や法対象外の事業については、各地方自治体が地域の実情を踏まえて条例によるアセスの対象としている。加えて、条例の対象にならないさらに小規模な事業などについては、ガイドラインなどによる自主的で簡易な取り組みを行っている場合もある。

 太陽光についても、こうした3段階の枠組みを導入するとの事務局案が示され、委員もこれに賛同した。すでに一部の自治体が太陽光発電を環境アセス条例の対象としており、今後は、大規模案件を対象にした国の法律と条例とが一体的に環境保全に配慮した事業実施を確保し、並行して条例対象外の小規模な事業などについては、ガイドラインによる自主アセスを促すべきとした。

 次に会合では、太陽光発電設備における環境アセスの評価項目に関して議論した。事務局は、「太陽光発電所は特に面的な改変の影響が大きい」とし、土地区画整理事業を代表とする大規模な面整備事業と、太陽光を明示的に対象としている環境アセス条例などを参考に、主要な項目を整理した。

 事務局案では、大気、水、土壌、反射光、生態系、景観、廃棄物などを主要項目として掲げ、いずれも評価項目として選定することで、委員から了承が得られた。
 
 これらの項目のうち、太陽光に特有の環境負荷として、大気環境ではパワーコンディショナー(PCS)からの騒音、水環境では除草剤やパネル洗浄時の排水、土壌環境では傾斜地の太陽光における土砂崩れ、反射光では周辺住民への影響、生態系では水上太陽光における水棲生態系への影響、景観では眺望景観や眺望点への影響などが挙げられた。

 同検討会では、今後、国の法律で対象する規模や、具体的な評価項目の詳細などに関して、さらに議論を深めていくことになる。

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