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再エネ由来水素でアンモニア、合成→発電、日揮など世界初

2018/10/22 17:38
工藤宗介=技術ライター
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アンモニア合成試験装置。手前の赤いボンベに再エネから製造した水素を貯蔵する
(出所:日揮)
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今回実証したCO2フリーアンモニアを用いたエネルギーチェーン
(出所:日揮)
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 日揮と産業技術総合研究所(産総研)らの研究グループは10月19日、再生可能エネルギーによる水の電気分解で製造した水素を原料とするアンモニアの合成、および合成したアンモニアを燃料としたガスタービンによる発電に世界で初めて成功したと発表した。

 アンモニアは成分中に水素を多く含み、液化が容易で、アンモニアのまま直接燃焼させることが可能であり、特に燃焼時にCO2を排出しないという特徴を持つ。また肥料原料などにも広く利用されており、既にサプライチェーンが確立していることから、水素のエネルギーキャリアとして有望とされる。

 研究グループは、2014年から「新規アンモニア合成触媒および再エネによる水の電気分解で得られた水素を原料としたアンモニア合成プロセス」の研究開発を進めてきた。2018年5月には、触媒に使用する担体や触媒の製造方法を改良し、低温・低圧下(約400度・5MPa)で効率的にアンモニアを合成できる新たなルテニウム触媒を開発した。

 また、高純度水素ボンベを用いてアンモニアを合成する実証実験(アンモニア生産能力日量20kg)を実施。新たに開発した触媒が低温・低圧で高い活性を持つことを確認するとともに、再エネ使用時に課題となる急な運転条件の変更によるアンモニア製造量の変化にも対応できることを確認した。

 これらの結果を受けて今回、高純度水素ガスボンベの代わりに太陽光発電設備で発電した電力による水の電気分解で製造した水素を用いたアンモニア合成実験を行い、合成したアンモニアを燃料にガスタービンによる発電試験(発電量47kW)を実施した。CO2フリーアンモニアを活用したエネルギーチェーンの確立に前進する成果という。

 内閣府は、2014年度から「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」において、2030年までに日本が革新的で低炭素な水素エネルギー社会を実現し、水素関連産業で世界市場をリードすることを目指した「エネルギーキャリア」の研究を開始。今回の成果はその一環となる。

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