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阪大、有機太陽電池の高性能化に道、フッ素系ユニットで

2018/10/18 14:58
工藤宗介=技術ライター
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今回開発した含フッ素アクセプターユニットおよびn型半導体材料の構造
(出所:大阪大学)
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今回開発した含フッ素アクセプターユニットおよびn型半導体材料の太陽電池特性
(出所:大阪大学)
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 大阪大学は10月17日、石原産業、独マックスプランク高分子研究所らと共同で、フッ素原子を導入した新規なアクセプターユニットを開発したと発表した。また、同アクセプターユニットが有機薄膜太陽電池のn型半導体の構成ユニットとして有望であることを示した。

 高性能な有機半導体材料を開発するにはアクセプターユニットを分子構造の中に組み込むことが不可欠であり、強力なアクセプターユニットとしてはナフトビスチアジアゾール(NTz)が世界的に用いられている。さらにアクセプター性を高めるには電気陰性であるフッ素原子の導入が効果的だが、有機合成の困難さからこれまで実現できていなかった。

 研究グループは今回、新規な有機合成ルートを確立し、フッ素原子を含むナフトビスチアジアゾール(FNTz)の合成に成功した。さらに、FNTzを組み込んだ有機分子を有機薄膜型太陽電池のn型半導体材料に用いたところ、フッ素を含まない材料より性能が大きく向上することが分かった。

 今後、各種用途の有機半導体材料に対して、FNTzユニットを導入することで性能向上が期待される。特にNTzが有効に機能する実績から、有機薄膜太陽電池のp型半導体ポリマーに向けた応用が期待できるという。今回の研究成果は、シュプリンガー・ネイチャー「NPG Asia Materials」オンライン版に同日公開された。

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