1. はじめに

 第4回関西高機能フィルム展が大阪市のインテックス大阪で10月5日~7日に開催された。その中から、筆者が注目した展示について報告する。第1回は、自社開発のファイバーレーザー光源を搭載した短パルス加工装置を開発した、リコーインダストリアルソリューションズの展示を取り上げる。

 同社は2014年6月設立。リコーのインダストリ事業部を吸収分割するとともに、リコー光学、リコーマイクロエレクトロニクスを吸収合併した企業で、現在はFA向け新規ビジネスを開拓している。今回展示した製品も、リコーのレーザープリンターやペンタックスの光学系、コピー機の搬送技術などグループ各社の技術を結集したものだった。

 本稿では、タッチパネルなどに用いられる機能性フィルムなどを加工するためのレーザーパターニング装置「LA-1100」と、シート自動搬送検査システムを紹介する。

2. レーザー加工で生産性向上

 レーザーパターニング装置のLA-1100は、タッチパネルに用いられている透明導電膜などに形成される回路を、レーザーを用いて直接パターン加工する装置である。従来、レーザーを用いた透明導電膜の加工は、下地へのダメージが大きく困難だった。しかし、同社が保有するピコ秒レーザー技術を使うと、下地へダメージを与えることなく透明導電膜を加工することが可能になる。これまで個別の工程で加工していたITO膜と銀(Ag)引き出し電極の同時加工を実現できる。

 これにより、タッチパネルの生産効率が著しく向上する。また、ロール・ツー・ロール(R2R)対応のレーザーパターニング装置としては世界最小の設置面積を実現し、かつ業界で最も優れた低電力を実現したという。コンパクトで低電力ながらも、1シート当たり50秒の高い処理能力を兼ね備えている。さらに、基材幅600mm(1500mmまでカスタム対応可)のロール状フィルム加工に対応した。幅広い加工領域においても、加工エリアを複数ピースに分割した「ステップ・アンド・リピート加工」を採用することで、ロールエンドまで連続的に処理することができる。加えて、高いパルスエネルギー密度により、基材への熱影響による損傷を最小限に抑えられるため微細加工が可能となり、業界最先端の線幅/線間隔(L/S:ライン・アンド・スペース)である20μm/20μmのパターン加工を実現した。これらの特徴を生かして、タッチパネルメーカーや薄膜太陽電池メーカーのパターニング工程向けを中心に、製品提案を計画している。

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