東芝は2016年10月18日に技術戦略発表会を報道機関とアナリストを対象に開催した。冒頭には代表執行役社長の綱川智氏が登壇し、"新生"東芝としての技術戦略発表会であることを印象付けた。

図1●綱川智氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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図2●西田直人氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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図3●技術開発基本方針 東芝のスライド。
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 多くの電子電機メーカーが毎年、研究開発戦略を発表する中、これまで東芝は研究開発戦略の発表に積極的でなかった。今回、あるアナリストからは「5年ぶりの発表」と指摘されていた。綱川氏は「全社の取り組みとして情報公開を積極的に行うようにしており、その一環として技術戦略も、今後は毎年発表する」と語った(図1)。

 同氏は、今年のポイントとして次の3つを挙げた。第1に、現在のコア技術であるストレージとエネルギーなどを中核にして、新生東芝をけん引していくこと。第2に、長期的な視点に立って新しい技術を開発していくこと。第3に、将来に向けて人材を強化すること。第3の具体策として、2017年3月期には中止した新卒採用を2018年3月期には技術系・事務系とも再開することを挙げた。

 続いて登壇したのが、技術のトップの西田直人氏(執行役専務 技術統括部担当)である(図2)。発表タイトルは「東芝の技術戦略 再成長軌道へのエンジン」だった。同氏は、最近20年間は売上高研究開発比率を5~6%に維持したことや、電力・インフラ・デバイスといった注力事業に投資を集中したことを説明した後で、技術開発基本方針として「カタチのあるソリューションで社会課題を解決」を宣言した(図3)。

 社会課題やソリューションという言葉は他社でもよく見られる。東芝の特徴は「カタチのある」という部分である。西田氏によれば「カタチのある」とは「東芝製品の強み、製品を通じた顧客との接点を活かすこと」だという。研究のための研究ではなく、顧客の問題を解決することによって売上や利益に貢献する技術のための研究開発、を目指すということだろう。

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