太陽光発電の発電コスト・買取価格の国際比較(2016 年)
(出所:太陽光発電競争力強化研究会報告書)
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非住宅用太陽光発電におけるシステム価格の内外価格差
(出所:太陽光発電競争力強化研究会報告書)
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運転維持価格の内外価格差
(出所:太陽光発電競争力強化研究会報告書)
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 経済産業省は10月17日、太陽光発電競争力強化研究会(委員長・若尾真治 早稲田大学 先進理工学部 電気・情報生命工学科 教授)の報告書を公表し、太陽光発電のコスト低減イメージとして、非住宅太陽光のシステム費用を、「2020年に20万円/kW、2030年に10万円/kWに下げるべき」とした。

 同研究会は、固定価格買取制度(FIT)の終了後も見据え、太陽光発電の競争力強化に向けた政策的な措置などを検討する勉強会。2016年8月から非公開で4回開催された。FIT法改正により、今年度の調達価格等算定委員会では、太陽光の長期的な買取価格を決めることになった。研究会の提言は、同委員会における議論のたたき台となる。

 報告書では、「現在の国内太陽光のシステム費用は約30万円/kWと欧州の2倍になっており、これを市場価格の水準に大幅に引き下げることで、FITからの自立化を促すべき」との政策の方向性を示した。

 その上で、コスト削減の目標値として、非住宅用太陽光は、2020年に20万円/kW(発電コスト14円/kWhに相当)、2030年に10万円/kW(同7円/kWhに相当)、住宅用太陽光は、2019年に30万円/kW(売電価格が家庭用電気料金・24円/kWh並み)、できるだけ早期に20万円/kW(売電価格が電力市場価格・11円/kWh並み)を示した。

 報告書によると、「太陽光パネルとパワーコンディショナー(PCS)の価格は欧州の1.7倍で国際流通商品でも内外価格差が存在する。特に住宅用は過剰な流通構造により国際価格の3倍になっている」と指摘し、「競争促進と技術開発により国際価格に収斂していく」との見方を示した。

 加えて、「工事費と架台は、欧州の2.1倍になっており、その原因には、太陽光専門の施工事業者が少なく、工法などが最適化されていないことや、日本特有の災害対応や土地環境による工事・架台費の増加がある」と分析し、「工法などの最適化や技術開発などによって、低減できる」とした。

 コスト低減のほか、運営面での課題として、「日本には、低圧(50kW未満)の太陽光が投資目的で多数導入されているのが特徴」とし、「こうした案件は、発電事業としての意識が低く、長期安定的な発電に向けたO&M(運営・保守)が十分でない」と指摘。今後の方向性として、(1)FITによるメンテナンスの義務化、(2)インフラファンド活用による所有・運営の再構築、(3)地域にメンテナンス産業を創出・育成、(4)適切なモニタリングと膨大なデータ蓄積・分析を通じた効率的なO&Mーーなどを示した。