高電圧の直流送電システムの検証施設の外観予想図
(出所:三菱電機)
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 三菱電機は10月12日、自励式直流送電システム事業に参入すると発表した。

 直流送電は、交流送電より送電効率が高く、洋上風力発電や太陽光発電などとの連系が容易なため、電力網への再生可能エネルギーの導入拡大に起用する技術として注目されている。

 同社によると、2015年度の世界の直流送電システム市場は約5000億円で、再エネの導入量の拡大に伴って、今後は年率7%程度の成長が見込まれている。

 直流送電システムは、主に2種類がある。交流・直流間の変換に、交流系統内の変換器の容量に見合った発電機が必要な「他励式」と、これが不要な「自励式」である。今後、増えてくるのは、主に自励式になるという。接続する系統側にとって、制約が少ないためである。

 三菱電機では、この自励式の直流送電システム市場に参入し、製品を検証する「HVDC検証棟」を、系統変電システム製作所(兵庫県尼崎市)内に建設する。1500V以上の高電圧による直流送電を想定した設備とし、2018年度上期の稼働開始を目指している。

 自励式直流送電システム事業は、「HVDC-Diamond」をトータルブランドとしてグローバルに展開し、2020年度までに累計受注高500億円以上を目指す。

 高速制御・保護システムによる高信頼性などを売りとする。さまざまなシステムに最適な制御機能やハードウェアの構成により、運用時の安定運転、落雷時などの交流送電系統の事故発生時でも運転を継続できる構成とする。また、高速応答の保護機能により、直流の事故発生時には過電流による設備の損傷を防止できる。

 自社製の高耐圧・大電流対応のパワー半導体モジュール(HVIGBT)の採用により、変換装置のモジュール数を削減し、電力変換所の小型化と低コスト化も実現できるとする。パワー半導体モジュールは、2列の並列構成とし、モジュール数を柔軟に構成することで、幅広い送電容量帯に対応できるようにした。

 HVDC検証棟は、鉄骨造、一部が地上2階建てで、建屋面積が約1250m2、延床面積が約1700m2となる。

 変換装置、制御・保護装置、受電設備などを導入する。検証設備の容量は50MWで、送電線を持たない直流送電システム(Back To Back:BTB)となる。