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道北で風力向け送電網着工、世界最大720MWhの蓄電池を併設

GSユアサ製のリチウムイオン蓄電池、千代化がEPCを担う

2018/10/11 07:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター
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送電ルート
(出所:北海道北部風力送電)
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蓄電池システムの概要
(出所:GSユアサ)
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 北海道北部風力送電(北海道稚内市)は10月4日、北海道道北地区(稚内市、豊富町、幌延町、天塩町、中川町)で風力発電を連系するための送電線網の工事を開始した。

 これは国の補助事業である「風力発電のための送電網整備の実証事業」の一環で、風力発電の大量導入に向けた系統制約の解消と安定的な電力供給を目指す。

 北海道の北部地域は国内でも風況が良く風力発電の適地だが、送電網が脆弱なため風力資源を有効に活用できていないのが現状だ。そこで、2013年に経済産業省が、道北地域を「特定風力集中整備地区」と指定し、送電網を整備する実証事業を企画した。その事業者(補助事業者)を公募し、北海道北部風力送電の提案が採択された。

 同社への出資者は、ユーラスエナジーホールディングス、エコ・パワー、稚内信用金庫、北海道電力、北海道銀行、北洋銀行となる。

 同実証事業では、稚内恵北開閉所・開源開閉所から北富豊変電所を経由し、北海道電力の設備までの77.8kmに域内送電網を整備し、技術的課題の実証を行う。

 送電線の仕様は、北富豊変電所から北海道設備間の70.2kmが187kV ・2回線、稚内恵北・開源開閉所から北富豊変電所間の合計7.6kmが66kV・ 2回線。風力発電の総連系定格容量は約600MWとなる。

 また、北富豊変電所には出力240MW・容量720MWhの蓄電池システムを導入する。これは変電所に併設する世界最大級の蓄電システムとなる。風力発電の出力変動を緩和し、電力供給を安定化する。千代田化工建設がEPC(設計・調達・施工)サービスを受注した。制御システム、受変電設備、大型建屋を一括元請けとして全体を取りまとめ、システム全体を最適化する。蓄電池には、GSユアサ製のリチウムイオン電池を採用する。

 総事業費は約1000億円で、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、日本政策投資銀行をアレンジャーとする金融機関の融資から調達する。稼働開始は2023年3月の予定。

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