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南相馬市の旧避難区域にメガソーラー着工、津波被災地を活用

スパークス・グループなど建設、パネルは東芝、パワコンはTMEIC製

2018/10/09 15:33
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 投資運用業務などを手掛けるスパークス・グループ傘下のスパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(SGET、東京都港区)は9月19日、福島県南相馬市原町地区で出力約36MWの「SGET原町南メガソーラー発電所」の起工式を開催した。

 事業主体はSGETで、南相馬市が取得した東日本大震災の津波被災地を活用する。EPC(設計・調達・施工)サービスは、東芝エネルギーシステムズ・日鉄住金テックスエンジ共同企業体(JV)が担当する。2018年10月1日に着工し、2020年3月末の竣工を予定している。

 連系出力は29MWでパワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、太陽光パネルの出力は36.25MWで東芝製を採用する。年間の発電量は4360万3494kWhを見込んでいる。買取価格は24円/kWh。

 SGETは、すでに2018年4月に南相馬市小高地区井田川に「SGET南相馬メガソーラー」を着工している(図1)。こちらも津波に被災した農地に建設する。2020年3月に運転を開始する予定。連系出力27MW、太陽光パネルの設置容量は約36.8MWとなる。初年度の年間予想発電量は4370万8953kWhを見込んでいる。売電単価は24円/kWh。

図1●「SGET南相馬メガソーラー」「南相馬村上・福岡太陽光発電所」の合同安全祈願祭の様子
(出所:SGET)
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 設計・施工は東芝プラントシステムと新昭和(千葉県君津市)が担当し、太陽光パネルは東芝製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用する。

 同市内小高地区では、「SGET南相馬メガソーラー」のほか、「南相馬村上・福岡太陽光発電所」(連系出力27MW)が着工済みで、こちらは新昭和などが出資する合同会社が事業主体となる。原町地区南部と小高地区の3サイトを合わせると合計で約100MWに達する。

 南相馬市には、住友商事が今年4月、真野・右田・海老地区にパネル出力約60MWの「南相馬真野右田海老太陽光発電所」を稼働している。同社は、原町東地区にもパネル出力32.3MWの「南相馬原町東太陽光発電所」を建設中で、2018年12月の商業運転開始を目指している(関連記事:福島最大60MWのメガソーラー、津波被災地でも「プロファイ」)。

 南相馬市の沿岸には、津波被災地の農地などを市が中心となって換地・農地転用した上で、民間事業者によるメガソーラー建設が進んでいる。先行して建設が進んだ「南相馬真野右田海老太陽光発電所」「南相馬原町東太陽光発電所」は、事故のあった東京電力福島第一原発から20~30kmの距離で、緊急時避難準備区域だったエリアになる。

 今春に着工した「SGET南相馬メガソーラー」「南相馬村上・福岡太陽光発電所」、今年9月に起工式を行った「SGET原町南メガソーラー発電所」の立地場所は、いずれも福島第一原発から20km圏内の避難指示解除準備区域だったエリアで、震災後、住民が避難していた。国による除染が進んだことにより、2016年7月に避難指示が解除され、住民の帰還が始まっている。

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