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太陽光の認定量、「70GW」が改正FITに移行、導入済みは44GW

30GWもの未稼働案件に対する対応策が今後の焦点に

2018/10/09 14:54
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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再エネの導入・認定状況とエネルギーミックス目標の進捗率(2018年3月末時点、単位:kW)
(出所:経産省)
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事業用太陽光・FIT認定案件の稼働状況(2018年3月末時点、単位:MW)
(出所:経産省)
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 固定価格買取制度(FIT)の調達価格等算定委員会が10月1日に開催され、2019年度の調達価格の算定に向けた検討が始まった。

 今回の会合では、冒頭で事務局(経済産業省)から、2018年3月末時点の認定量が公表され、改正FITに移行した認定量の確定値が初めて明らかになった。

 それによると、太陽光の認定容量は70.085GWに達し、エネルギー基本計画のエネルギーミックス(2030年のあるべき電源構成)で掲げた太陽光の導入目標である64GW(電源構成に占める比率の目標である7%を設備容量に換算したもの)を大きく上回った。

 確定した認定容量にFIT導入前の累積導入量(約5.6GW)を加えた容量は、約75.7GWに達し、2030年目標を10GW以上も超えていることになる。

 一方で、2018年3月時点での太陽光の導入済み量は44.5GWとの公表があり、エネルギーミックス目標の進捗率は約70%となっている。今後の太陽光市場の焦点は、未稼働である約31.2GWのうち、どの程度が実際に導入されるのか、という点だ。

 事務局の資料では、事業用太陽光の未稼働案件を認定年度別に公表しており、2012年度(買取価格40円/kWh)が3.345GW、2013年度(同36円/kWh)が12.841GW、2014年度(32円/kWh)が7.329GWとなっており、FIT初期の3年分だけで、20GWを超える。

 未稼働案件は、電力系統を「空押さえ」して、新規案件の接続を阻害するうえ、仮にこの20GWがすべて未稼働のままだと目標の64GWに10GW程度も足りなくなる。今後の太陽光推進策を検討するうえでも、不確定要素となって弊害が大きい。

 元々経産省は、改正FITに伴い「設備認定」から「事業認定」に衣替えし、実現性の低い滞留案件の一掃を目指した。事業認定への移行に際して、電力会社との接続契約の締結を必須とし、電力会社に対して工事費負担金を支払うことを契約条件とした。

 今回公表された約31.2GWの未稼働案件はすべて「事業認定」に移行していることから、事業化を前提に先行投資として工事費負担金を支払っていることになる。その意味では、全く実現性のない案件は、改正FIT移行時に脱落している。実際、2013年度の認定量は当初、40GW程度もあったが、改正FITに移行できたのは26GWに留まった。逆に言えば、改正FITに移行した案件は、ある程度の実現性を持っているともいえる。

 それでも、経産省・新エネルギー課の山崎琢矢課長は、「太陽光に対する世論の逆風が強まっていることもあり、地域の理解が不可欠な大型案件などに関しては、着工できずに未稼働のまま事業化を断念する案件も少なからず出てくる可能性がある」と見ている。

 今後、FIT初期の未稼働案件に関しては、国民負担の軽減策としても買取価格の減額や、運転開始期限を設けることなどの対応策が取れないか、経産省の有識者会合や調達価格等算定委員会などの場で検討される模様だ。こうした政策検討が始まるなか、30GWもの未稼働案件がどう動くのか、国内太陽光市場はそれによって大きく影響されそうだ。

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