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再エネの連系に「N―1電制」開始、特高案件の新規接続に適用

2018/10/09 14:26
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 電力広域的運営推進機関(以下、広域機関)は、「N―1電制」と呼ばれる系統接続の新手法を10月1日から先行適用すると発表した。特別高圧送電線に新規接続する場合に原則的に適用される。広域機関は、N―1電制を一定の条件下で先行適用するための基本的な考え方や具体的手法を取りまとめた資料を公表した。

 これを受け、四国電力や北陸電力など一般送配電事業者は、N―1電制を適用できる送電系統と、適用した場合の接続可能量をホームページ上で公表し始めた。

 「N―1電制」とは、送電線の事故時に、接続した電源の出力を瞬時に制限すること(これを「電制」という)を条件に系統連系を認める仕組み。既設の送電設備を最大限に活用しながら電源の接続可能量を拡大する手法として、経済産業省と広域機関が導入を検討し、今年10月1日から先行的に導入することになっていた。

 従来、送電線の運用では、送電線1回線が故障した場合などの緊急時でも、予備の送電線で電気を供給できるよう、原則として全容量(2回線)の50%分(1回線)を連系可能な「最大容量」として運用してきた。再エネの接続検討に際しても、50%を超える場合、「空きなし」として、高額な系統増設費用の支払いが条件になっていた。

 平常時には送電線の半分が空いているにも関わらず、事実上、新たな電源が接続できないことに関して、電力系統の既存設備の効率的な利用の観点から、新しい接続手法の必要性が指摘されてきた。

 今回、導入した「N―1電制」では、送電線の最大容量(2回線分)を上限に送電線への電源接続を認める一方、送電線の事故が発生した場合には、1回線分の容量まで電源を制限する。

 N-1電制の先行適用では、緊急時に電制の適用による損失、例えば、電制による売電損失は、新規に電源を接続した事業者が負担し、補償されない。

 経産省は、再エネの系統制約を打開する方策の1つとして、「コネクト&マネージ(C&M)」という連系手法の導入を検討してきた。C&Mとは、電力系統への接続に関して、系統に流れる電気の状況に応じて、電源の出力を抑制するなどの一定の条件下で、接続を認める仕組み。「N―1電制」もその1つ。このほか,系統混雑時の出力抑制に合意した新規電源が設備増強せずに接続することを可能とする「ノンファーム型接続」があり、こちらの適用についても検討が始まっている。

先行適用中の「N-1電制」のオペレーション方法
(出所:電力広域的運営推進機関)
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