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九電、関門連系線の最大活用で太陽光へ出力抑制を回避

2018/10/09 13:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター
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広域連系系統(連系線と各エリアの基幹送電線)
(出所:電力広域的運営推進機関)
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 電力広域的運営推進機関(以下、広域機関)は10月1日、九州エリアの太陽光発電所で発電した電力を中国以東のエリアへ送電するための「長周期広域周波数調整」を実施したと発表した。

 今回の措置で九州電力が関門連系線から中国電力エリアに送電できる容量は最大112.5万kWだった。これまで同社が見込んでいた関門連系線の活用量は13万kWで、今秋の太陽光に対する出力抑制の想定量を「1回当たり数十万kW」としていたことを考慮すると、広域機関の仲介による「長周期広域周波数調整」を実施したことで、太陽光への出力抑制(出力制御)が回避されたことになる。

 「長周期広域周波数調整」は業務規程第132条に基づくもので、需給バランスの調整力が不足すると予想された際、広域機関が一般送配電事業者からの要請により、関係する他の一般送配電事業者に打診して行う。実際に実施されたのは広域機関設立後、初めてという。

 具体的には、九電から9月30日に、下げ調整力不足時の対応として長周期高域周波数調整の要請を受けたことから、対象となる関門連系線の未利用領域(今回は全容量)を活用して中国以東へ送電するために、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力の5社に周波数調整を要請した。実施日時は10月1日9時から14時30分までの合計11コマで、最大量は112.5万kW。

 九電によると、1日は台風通過後で天気が晴れと予測され、太陽光発電の発電量が増加して供給が需要を超える見通しになった。その一方で、台風の雨による増水で揚水発電を用いた電力調整力は期待できず、また台風の通過後は気温が下がって空調利用が減って電力需要が伸びないと予想されたという。

 今後、今回のような関門連系線を活用した需給調整でも九州エリアに電力が余る場合は、太陽光に対して出力抑制を実施する可能性がある。九電では「この秋口にも実施する可能性がある」と説明している。

 電力系統間をつなぐ連系線の利用ルールは、10月1日にこれまでの「先着優先」から「間接オークション」に変わった。間接オークションでは、予備力・調整力および潮流抑制のための容量(マージン)を原則ゼロとし、すべての連系線容量を取引市場を通じて割り当てる仕組み。

 今回、初めて実施した「長周期広域周波数調整」は、ゲートクローズ(市場取引終了)後に各連系線の空き容量の範囲内で、関係する一般送配電事業者に協力可能な容量と時間を確認して、連系線を使った最大調整量を決めることになっている。

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