グラファイト状窒化炭素(g-C3N4
(出所:GSアライアンス)
[画像のクリックで拡大表示]

 環境エネルギー分野の先端材料を研究開発・製造販売するGSアライアンス(兵庫県川西市)は10月4日、可視光応答型光触媒や人工光合成に応用できるグラファイト状窒化炭素(g-C3N4)を合成し、製造販売を可能にしたと発表した。窒化炭素は資源として豊富に存在し、安価かつ安定に供給できることから、次世代の光触媒材料として期待されるという。

 従来の代表的な光触媒であるアナターゼ型酸化チタン(TiO2)は、太陽光に3~4%しか含まれない紫外光しか利用できず、水から水素への太陽光エネルギー変換効率が低いという問題があった。また、可視光応答型光触媒としては酸化タングステン(WO3)が有効だが、タングステンは資源とコストの面で制約がある。

 グラファイト状窒化炭素は、金属を含まない有機系の半導体光触媒で、可視光照射下で水素と酸素を生成することが報告されている。化学的、熱的安定性を持ち、原料価格が安いという利点を持つほか、可視光活性を持つなどの特性により、光触媒以外にも光電気化学、蛍光イメージング剤などへの応用も進められている。

 また、グラファイト状窒化炭素と最適な金属錯体、金属酸化物、金属窒化物、黒リン酸などの有機化合物と組み合わせることで、CO2を還元してギ酸や一酸化炭素といった有用物質を常温常圧下で製造できる人工光合成反応に用いることも可能という。

 同社によると、グラファイト状窒化炭素の商業化は世界初。水素エネルギー社会の根幹となる太陽光による水素製造の実現につながり、同時に環境問題の解決にも貢献することが期待されるという。