国内のシステムコストは欧州の2倍
(出所:経済産業省)
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経産省が示した今後の方向性(案)
(出所:経済産業省)
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 今年度最初の調達価格等算定委員会が10月4日に開催され、固定価格買取制度(FIT)の来年度の買取価格などについて、議論を開始した。

 今年度の算定委員会は、2017年4月のFIT改正後を前提としたものになる。そのため、従来のように次年度の買取価格を決めるだけでなく、(1)再エネの効率的な利用を促すための中長期的な価格目標、(2)入札制度の対象となる太陽光の規模、入札量、(3)各電源の買取価格の設定――などが主な論点になる。

 (3)に関しては、住宅用太陽光については、あらかじめ「価格低減スケジュール」を設定する方式となる。また、風力や中小水力、地熱、バイオマス発電については、複数年度の価格を設定する方式を採用することになっている。

 10月4日の算定委員会では、このうち「中長期的な価格目標」について議論した。これまで買取価格は、導入された設備のコスト実績のうち上位のコスト効率を持つ水準を参考に決めてきた。来年度以降は、これに加え、「価格目標」を勘案して決めることになる。

 価格目標の事務局案として、FITからの自立を目指す水準として、非住宅用は、2020年に発電コスト14円/kWh、2030年に7円/kWh、住宅用は2019年に家庭用電力料金並み、2020年以降、早期に売電価格が卸電力市場価格並み、という案が示された。

 こうした発電コストを実現するシステム費用として、非住宅用は2020年に20万円/kW、2030年に10万円/kW、住宅用は2019年に30万円/kW(売電価格24円/kWh並み)、できるだけ早期に20万円/kW(売電価格11円/kWh並み)というコスト低減イメージが参考に示された。国内太陽光の現行のシステム費用は、約30万円/kWと欧州の2倍となっている。

 こうした事務局案に対し、委員からは、「将来的にFITから自立という方向性は正しいが、FIT本来の役割は再エネの導入を促すことにある。価格目標への移行は、その水準とタイミングが重要」「実際に太陽光を卸電力市場に販売するには、変動性を補うためのコストが必要になる。こうした費用も考慮すべき」などの意見が出た。

 事務局からは、「現在、ほかの審議会で低炭素電源だけを取引する非化石価値取引市場の創設を検討している。こうした制度設計によって、電力市場での再エネの価値が高まる可能性もある」とし、今後の制度設計と連携しながら、再エネの自立化を促す方向性も示された(関連記事)。 

 これに対し、委員からは、「低炭素という言い方で、一括りにせず、再エネ電源だけを取引することで、環境価値を高める仕組みが重要」との意見が出された。