創設が検討されている新市場
(出所:経済産業省)
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エネルギー供給構造高度化法による取り組み
(出所:経済産業省)
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 経済産業省は9月27日、「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を新たに設置し、その第1回の会合を開催した。同委員会は、電力システム改革を推進するなかで、顕在化してきた3つの課題について、その克服のための方策を議論するのが目的。

 3つの課題とは、「さらなる競争の活性化」、そして、競争政策だけでは解決しない公益的課題として、「環境・再エネ導入・安定供給」、「安全・防災、廃炉の実施」――を挙げた。

 これらの課題への対応として、新たな制度案を示した。(1)ベースロード電源市場の創設、(2)連系線利用ルールの見直し、(3)容量メカニズムの創設、(4)非化石価値取引市場の創設、(5)廃炉会計制度の在り方、(6)法人事業税の課税方式――の6つだ。

 このうち(4)の「非化石価値取引市場」は、2030年のベストミックス(望ましい電源構成)で決まった再エネ(22~24%)と原子力(22~20%)を合わせた非化石電源(44%)を達成するための仕組みとなる。

 経産省は、ベストミックスを実現する裏付けとして、エネルギー供給構造高度化法によって、小売電気事業者に対し、一定割合(2030年度に44%)の非化石電源を調達するように求めている。ただ、新規参入者は、原子力や大型水力発電所を持たないうえ、固定価格買取制度(FIT)の送配電買取が始まると、一部のFIT電源は取引所を介して取引されるため、非化石電源としての価値が埋没してしまう恐れがある。

 そこで、非化石価値取引市場を創設し、新規参入した小売電気事業者でも、非化石電源を調達しやすくするとともに、FIT制度による国民負担を軽減する狙いがある。

 エネルギー供給構造高度化法による非化石電源調達義務は、かつてのRPS制度に類似した仕組みになり、原発の再稼働が進まない中で、FIT後の再エネ導入の原動力になる可能性がある。環境価値を添加された形で非化石電源市場を通じて火力電源より高く再エネを売電したり、個別の電力購入契約(PPA)によって再エネ投資が進む可能性がある。

 ただ、経産省の原案では、原子力と再エネを1つの市場で扱う形になっており、再エネ推進派からは、今後の制度設計を巡り、議論がありそうだ。