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国内最大の「乾式メタン発酵槽」、綾川町に稼働

2018/10/04 12:32
工藤宗介=技術ライター
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縦型乾式メタン発酵施設の外観
(出所:栗田工業)
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 栗田工業は9月26日、国内最大規模の「乾式メタン発酵槽」が、香川県綾川町に稼働したと発表した。産業廃棄物処理事業者である富士クリーン(香川県綾川町)に納入したもので、「縦型乾式メタン発酵技術(KURITA DRANCO PROCESS)」を採用した。

 10月から運転を開始した。今回の実績を踏まえ、産業廃棄物処理施設だけでなく、一般廃棄物処理施設(ごみ焼却施設)にもKURITA DRANCO PROCESSの適用を拡大するという。

 同施設は、産業廃棄物や一般廃棄物をメタン発酵させて生成したバイオガスを発電燃料やボイラー燃料に利用する。発酵残さは、既存の焼却施設で処理する。発酵槽の容量は3000m3で、縦型乾式メタン発酵施設では国内最大規模になる。温室効果ガス削減量は年間約1万t-CO2の見込み。

 日本国内には、ごみ焼却施設が約1100施設あり、そのうち処理能力が1日あたり100t未満の中小施設は約半数を占めるといわれる。大規模施設では焼却時の余熱を用いて発電することでエネルギーを回収・利用しているが、中小施設では発生する余熱が少ないため発電している施設が4%に留まり、エネルギー回収率を上げることが課題となっていた。

 KURITA DRANCO PROCESSは、かくはん装置や加温装置が不要で省スペースの縦型発酵槽を採用。厨芥類、動植物性残さ、紙類、家畜ふん尿、繊維分の多い稲わらや草類など、多様な動植物系廃棄物を発酵させて、安定的にバイオガスを回収できるという。

 投入したごみ量1tあたり約150Nm3のバイオガスを生成でき、これは従来の湿式メタン発酵技術と比べて2倍以上となるという。

 同社は今後、自治体の中小ごみ焼却施設の更新事業や基幹的設備改良事業に対し、メタン発酵施設をごみ焼却施設に併設することで、廃棄物からエネルギーを回収しながらごみ焼却施設で発酵残さを処理する「メタンコンバインド」処理を提案していく。また、回収したエネルギー(電気・熱)を地域全体で活用する取り組みを通じて、廃棄物系バイオマスの活用を普及推進していく(関連記事:栗田工業の「乾式メタン発酵」、全都清が技術検証を完了)。

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