世界銀行グループは9月26日、米ニューヨークで開催された「ワン・プラネット・サミット 2018」において、発展途上国や中所得国の電力システムにおける定置型蓄電池への投資を加速する新しいグローバル・プログラムのために10億ドルを拠出するとの公約を発表した。

 同プログラム「開発のための定置型蓄電池を加速する」は、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの利活用の増加、エネルギー安全保障の改善、電力網の安定化、電化の拡大などに対して支援するもの。

 世銀グループ自体による融資10億ドルが、気候変動向けの譲許的(無利子など貸出条件の緩い)融資や公共および民間による投資で約40億ドルの呼び水になると見込む。

 同プログラムによって、2025年までに17.5GWhに達する定置型蓄電池のプロジェクトへの資金を供給する。この蓄電池容量は、すべての発展途上国に現在設置されている全容量である4~5GWhの3倍以上となる。

 支援対象となる設備としては、蓄電池併設型のメガソーラー(大規模太陽光発電所)、「ミニグリッド」やマイクログリッドを含むオフグリッドの再エネ発電システム、系統網の安定化や強化に役立つスタンドアローン型の定置型蓄電池システムなどを想定する。

 また、発展途上国のニーズに適合した新しい蓄電池技術を活用した大規模実証プロジェクトなども支援するという。具体的には、厳しい条件下や高温下での運用に耐えるレジリエント(強靭)な長期耐久型の蓄電池や、環境負荷のリスクが最小限の蓄電池などである。

 世銀グループ以外による融資である40億ドルの内訳としては、クライメート投資基金の「クリーンテクノロジー基金」など世銀グループが気候変動向けの譲許的基金として調達する10億ドルに加え、公共および民間の基金や投資家からの30億ドルを見込む。

 世銀グループは、蓄電池併設型の風力および太陽光発電の導入に数年にわたって取り組んでおり、アフリカ、南アジア、太平洋地域諸国においてプロジェクトが進行中という。同グループは、発展途上国や島しょにおけるミニグリッド・プロジェクトなどの形で現在既に設置済み、または建設中の定置型蓄電池の約15%への融資を行った実績があるとしている(関連記事1)(関連記事2)。

 ワン・プラネット・サミット 2018では、世銀グループ以外にも低炭素社会への転換を促進するためのプロジェクトやイニシアチブの発表が相次いだ。

 例えば、2019年にフランスが開催するG7における気候変動対策への取り組みに関するアントニオ・グテーレス国連事務総長からマクロン大統領への要請、EU予算として2021~2027年の間に3200億ユーロを気候変動対策に充当するとの欧州委員会による提案、米国で気候変動対策や持続可能性に向けた融資のイノベーションを加速するためとして「サステナブル・ファイナンスに関するウォール街ネットワーク」の招集を支援するとしたマイケル・ブルームバーグ国連特使の発表などである。