1. はじめに

 第77回応用物理学会学術講演会が新潟市の朱鷺メッセで9月9日~16日に開催された。筆者が聴講した講演の中から興味を持ったものを報告する。第1回は「有機分子・バイオエレクトロニクス分科会」業績賞受賞記念講演。「有機エレクトロニクスの進展と将来展望」と題した、千葉大学 大学院工学研究科 教授の工藤一浩氏の講演の概要を報告する。

2. 有機エレクトロニクスの草創期から活躍

 工藤氏は、応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会(M&BE分科会)との関わり、研究内容、有機分子・バイオ分野の期待について語った。

2.1 1985年、有機分子設計研究会が始動

 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会は1985年、「有機分子設計研究会」としてスタートした。1990年に現在の名称となり現在に至る。会員数は、初期は300名程度、2008年には920名に増えたが、2016年7月末時点では740名に減っている。1990年6月には分科会誌の創刊号が発行された。工藤氏は幹事長の一人である。

 図1に、2008年秋の応用物理学会学術講演会のシンポジウムで発表された「有機分子・バイオエレクトロニクス分野」の分野別講演数の推移を示す。2008年までの実績とそれ以降の予測が示されている。さて、現状は果たしてどのようになったか。図2に、有機分子・バイオエレクトロニクス関連とトピックスを、無機系と併せて示す。現在、さまざまなデバイスが実用化され我々の生活を豊かにしているが、先人達の貢献が大きく寄与していることを再認識した。

図1 有機分子・バイオエレクトロニクス分野の講演数推移と予測
工藤氏の講演資料から。
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図2 有機分子・バイオエレクトロニクスの研究開発のトピックス
工藤氏の講演資料から。
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