大阪ガスグループの「名古屋第二発電所」
(注:写真手前部の薄い緑色の煙突や建造物)(出所:大阪ガス)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本製紙と三菱商事グループが出資する日本製紙石巻エネルギーセンター(宮城県石巻市)は、現在、建設を進めているバイオマス混焼型の石炭火力発電所「石巻雲雀野(ひばりの)発電所」について、9月1日に火入れ式を開催した。

 同発電所では、石炭に木質バイオマスを最大で30%混焼する。宮城県内を中心とした東北地方の未利用材のほか、北米を中心にアジア地域から輸入した木質ペレットを活用するという。国産未利用材と輸入バイオマスの比率については未公表。

 定格出力は149MW(発電端)。今後は発電設備各所の試運転やテストを繰り返し、2018年3月から営業運転を開始する予定。電力供給とともに、石巻市地域の産業振興および木質バイオマスの利用促進に貢献したい考え。

 日本製紙石巻エネルギーセンターは、同発電所の建設・運営のために2015年に設立した発電事業会社。出資比率は、日本製紙が70%、三菱商事パワー(東京都千代田区)が30%。

 100MWを超える石炭火力にバイオマスを混焼し、固定価格買取制度(FIT)を利用して、バイオマス比率分を売電する動きが目立っており、70MW以下のバイオマス専焼発電とともにバイオマス発電事業の認定容量が急増する背景になっている。

 かつて、石炭火力への木質チップなどの混焼では、混合率は数%程度だったが、燃焼技術の進歩で30%程度の混焼も可能になってきた。大阪ガスのグループ会社である中山名古屋共同発電(大阪市)は、今年9月2日に110MWの石炭火力を稼働させ、木質ペレットなど輸入バイオマスを熱量比30%混焼するとしている。

 石炭火力により低コストの電源を確保しつつ、FITによる売電で事業性の高まることが、バイオマス混焼の増加する背景になっている。ただ、一方で石炭燃焼によるCO2排出増加のほか、輸入バイオマスの抱える持続可能性への懸念、FIT売電による国民負担の増加など、石炭火力へのバイオマス混焼には、複数の課題も指摘されている。