実証試験のイメージ
(出所:積水化学工業)
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スマートハイムシティ研究学園の街並み
(出所:積水化学工業)
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 積水化学工業は、10月から茨城県つくば市の分譲地と同社のつくば事業所を舞台にバーチャルパワープラント(VPP)の実証試験を実施すると発表した。茨城セキスイハイム(水戸市)の販売した分譲地「スマートハイムシティ研究学園」(20棟)に大容量太陽光発電システムと家庭用蓄電池を設置し、互いに融通するなどして効率的なエネルギー自給自足を目指す。

 20棟全体で、合計出力150kWの太陽光発電、合計出力50kW・容量170kWhのLiイオン蓄電池を設置する。このほか積水化学つくば事業所を含めた各戸にHEMS(住宅エネルギー管理システム)を導入し、各HEMSをEMS(エネルギー管理システム)が統合制御する。

 積水化学が、電力小売事業者として、各住宅に電力を供給しつつ、アグリゲータとしてEMSを使って家庭用蓄電池や太陽光発電の充放電制御などを行う。電力網には電力会社の既存の配電網を利用する。EMSは、積水化学が開発した「タウン・エネルギー・マネジメントシステム (TEMS)」を使用する。クラウドを利用し専用サーバーは設けない。

 各棟の屋根上太陽光は、固定価格買取制度(FIT)を活用して売電せず、自家消費して、余剰分を家庭用蓄電池に充電する。蓄電池が満充電の場合、TEMSの制御により、他の住宅や事業所に融通し、消費したり、蓄電池に充電したりする。また、各棟の蓄電池に貯めた太陽光の発電電力を既存配電網に逆潮流し、その電力を各住宅と積水化学つくば事業所で活用することも試みる。

 検証する項目は、(1)電力の融通(住宅間および同住宅と事業所間)における発電電力の活用度の確認(蓄電池制御による太陽光電力の利用効率の変化、戸建て住宅と事業所との連携による電力のピークカット効果)。(2)蓄電池からの電力逆潮流による配電網への影響度の確認。(3)VPPによる住宅所有者へのメリット創出策の探索(専用電気料金体系の利用者満足度、運用コスト)――などになるという。

 同実証は、経済産業省「バーチャルパワープラント構築事業費補助金」事業に採択された実証プロジェクトの一環として実施する。

 積水化学は2010年からの5年間、EMS先行実証実験として「北九州スマートコミュニティ創造事業」に参画した。複数の家庭用蓄電池を連系するとともに蓄電池からの電力を自営線に逆潮流させ、1つの発電装置のようにマネジメントする「タウン・エネルギー・マネジメントシステム(TEMS)」を開発した。

 今回の実証試験は、この実績を生かし、各住宅に設置されている家庭用蓄電池をTEMSで統合制御してネットワーク化することで、太陽光の発電電力を無駄なく活用できるシステムの構築と運用を目指す。