再生可能エネルギー発電システム市場の推移
(出所:富士経済)
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再生可能エネルギー発電システム市場の見込みと予測
注:太陽光、風力、水力は再エネ発電システムの内数(出所:富士経済)
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 富士経済(東京都中央区)は9月14日、再生可能エネルギー発電システムの2020年度における市場調査の概要を公表した。再エネ全体の市場規模は1兆7124億円となり、2015年度比で半減するとしている。

 再エネ市場の縮小は、固定価格買取制度(FIT)によって急速に普及の進んだ太陽光発電の落ち込みが大きいため。2020年度における太陽光発電の市場規模は1兆583億円に達するものの、2017年度までの2兆円規模に比べると、半分程度まで縮小すると見ている。

 一方、風力発電システムは、2020年度に2171億円と2015年度比4.1倍、水力発電システムは同年度3127億円と2015年度比2.9倍に拡大すると予測する。

 太陽光は、FIT開始後、短期間で建設が進み、市場が爆発的に伸びた反動から、2018年度以降、徐々に縮小していくものの、それでも2020年度における再エネ市場の6割超を占めるなど、再エネ市場の牽引役であることには変わりない。

 太陽光については、2017年度に新認定制度への移行が予定されており、運転開始済み、接続契約済み以外の案件は現行FITに基づく認定が失効となるなど、認定済み案件の事業化推進と未稼働案件の整理が進むとみられる。富士経済は、「参入プレイヤー各社は、新サービスの開発や、日本に先行してFIT期間の終了を迎えた海外事例を参考にするなど、ポストFITに向けた対応を進めている」と分析している。

 また、注目市場として、太陽光発電に併設される蓄電池の市場予測も公表した。主に電力平準化や非常時のバックアップ電源として活用されるが、近年では電力需要のピーク時に利用するピークカットや自家消費を目的とした製品も増加しているという。予測結果では、2016年度に285億円が見込まれ、2020年度には538億円と倍増するとしている。

 住宅用蓄電池システムは当初新築戸建向けが大半を占めていたが、「近年、太陽光発電システムを導入しているユーザーに対して集中的な販促が行われたことで、新築戸建以外の販路が開拓され、市場が拡大した」という。

 2016年度からは補助金制度が打ち切られたが、新たにZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の補助金が開始され、従来の補助金の代替となるという。「今後、太陽光発電による余剰電力の買取期間終了に伴う自家消費の広まりや、スマートメーター及びHEMSの普及や蓄電池システムのコスト低減などにより市場は拡大する」と分析している。

 一方、公共・産業用蓄電システムは需要の大半がグリーンニューディール基金による補助金事業を通じたものとなっており、出力10~100kW程度の太陽光発電システムに併設されるピークカットやピークシフト、停電対策を主目的とした10~30kW程度の蓄電システムが中心となっているという。

 補助事業が廃止・縮小する2016年度以降、市場は一時的に縮小するという。「今後、電力の自家消費用途を中心とした市場になるとみられるが、太陽光発電による電力や深夜電力を活用した負荷平準化、ピークシフトについては住宅用以上にコストに対する要求水準が高いことから、大幅な導入拡大は難しい」と予測している。