起工式を開催した
(出所:洸陽電機)
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信託スキームの仕組み
(出所:洸陽電機)
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 洸陽電機(神戸市東灘区)は9月7日、同社など3社の出資する岩手県滝沢市のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の起工式を開催したと発表した。東北電力による「無制限・無補償」の出力抑制が接続条件となったが、プロジェクトファイナンスの組成を実現した。

 建設する発電所の出力は8.82MW。EPC(設計・調達・施工)サービスは、JFEプラントエンジ(東京都台東区)が担当し、約15万m2の土地にLGエレクトロニクス製太陽電池モジュール2万8000枚を設置する。

 年間予想発電量は約950万kWhを見込み、これは、一般家庭約2900世帯分の年間電力消費量に相当する。運転開始の予定は2017年12月26日で、発電電力は全量を東北電力に売電する。O&M(運営・保守)は洸陽電機が担当する。

 この案件は、東北電力の接続可能量(30日等出力制御枠)を超えた後の接続申し込みとなり、無制限・無補償の出力抑制が接続の条件となった。従来、こうした条件下での太陽光発電事業は、将来の出力抑制量を見通すことが難しく、事業リスクが高いため、多くの場合プロジェクトファイナンスを組成できなかった。

 そんななか、洸陽電機と、一般社団法人・グリーンファイナンス推進機構(東京都港区)、JFEプラントエンジ(東京都台東区)の3社が出資したうえで、プロジェクトファイナンスにより新生銀行から融資を受けることに成功した。総事業費は34.7億円。

 今回のプロジェクトファイナンスでは、一般的なSPC(特定目的会社)設立の方式ではなく、信託スキームを採用した。出資した3社が発電設備を新生信託銀行(東京都中央区)に信託し、同行が発電事業の運営主体となる。オーナー3社は、信託受益者として信託財産(発電設備)からの収益を給付金として受け取る。

 洸陽電機と新生銀行、新生信託銀行の3社は2014年4月、7 カ所で合計約8.2MWのメガソーラー事業を、信託スキームによるにプロジェクトファイナンスで事業化すると発表していた。今回の無制限・無補償での出力抑制が条件となった案件でも、これまでのスキームを踏襲した形だ。

 無制限・無補償の出力抑制が接続条件となった案件でプロジェクトファイナンスを組成したケースとしては、スマートソーラー(東京都中央区)が、北海道新ひだか町に建設し、2017年11月完成予定のメガソーラー(出力17MW)の例がある (関連記事) 。