水素事業のイメージ
(出所:経済産業省)
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 経済産業省は9月7日、福島新エネ社会構想実現会議の第3回会合を開催し、「福島新エネ社会構想」(案)を公表した。再生可能エネルギーを用いて大規模に水素を製造し、2020年の東京五輪で活用するなど、再エネと水素システムを連携したプロジェクトが目玉となった。

 福島県は、「2040年頃をめどに県内の1次エネルギー需要量の100%以上に相当するエネルギーを再エネから生み出す」という目標を掲げている。今回、政府がまとめた福島新エネ社会構想は、こうした福島県の目標を後押しし、同県の再エネ由来水素を県外でも活用していくための道筋を示した。

 具体的には、民間事業者と連携し、再エネを用いた水素製造インフラを1万kW規模で構築し、輸送・貯蔵技術を最適化する実証を実施する。並行して、太陽光・風力などの電気の一部を水素製造に充てることによる系統負荷の軽減効果を検証する。これらについては、2016年度中に実証化に向けた検討会を立ち上げ、2020年までに運転を開始する。

 東京都、東京都環境公社、福島県、産業技術総合研究所は、CO2フリー水素に係る基本協定に基づき、再エネ由来水素の活用に向けた共同研究開発、技術協力を推進するとした。

 福島県内の再エネ導入拡大については、阿武隈、双葉エリアの風力発電のための送電線増強を掲げ、これについては2017年度予算の概算要求に100億円を盛り込んだ。また、手続きの迅速化については、農山漁村再生可能エネルギー法の活用促進を挙げ、具体策として、説明会を開催するとした。

 こうした構想のなかで、産総研・福島再生可能エネルギー研究所は、水素の貯蔵、輸送技術の確立に取り組むほか、メガソーラーなど再エネ技術の国際標準化を念頭に、太陽光発電用大型パワーコンディショナー(PCS)の試験・評価施設として活用するなどの役割を明記した。