中国・国家電網公司のリュウ・ゼンヤ前会長
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再エネの賦存量の多い地域は、均等に分布していない
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 中国・国家電網公司のリュウ・ゼンヤ(劉 振亜:Liu Zhenya)前会長は9月9日、自然エネルギー財団の設立5周年記念シンポジウムで講演し、同氏が推進している世界的な送電網の構想や、アジアスーパーグリッドの役割を語った。

 ソフトバンクグループなどが取り組んでいる「アジアスーパーグリッド構想」(孫正義氏の講演のニュース)は、アジア各国の電力網を結び、太陽光・風力発電電力を融通し合う構想。リュウ氏の目指している「グローバル・エネルギー・インターコネクション(GEI)構想」は、アジアだけでなく世界各地を結び、時差や気象条件の違いを生かして、安定的に太陽光・風力を使える電力網の国際連系を構築しようというもの。

 リュウ氏は、GIEの実現を目指す団体「グローバル・エネルギー・インターコネクション開発協力機構(Global Energy Interconnection Development and Cooperation Organization:GEIDCO)」を立ち上げ、会長を務めている。

 同氏によると、世界の再生可能エネルギーの潜在能力は大きく、全賦存量のわずか0.05%を活用できれば、世界中の電力需要を賄えるという。

 しかし、賦存量の多い地域は、均等に分布していない。例えば、米国大陸以外の世界を見ると、風力と水力発電の最適地は、ロシアの極東アジアから中央アジア、欧州南部、北アフリカ、中央アフリカにまたがる地域、太陽光発電の最適地は赤道から緯度40度付近までの地域に集中している。

 一方で、電力需要は、東アジア、南アジア、欧州、南アフリカに集中している。

 そこで、世界各地の再エネの最適地と需要地を結ぶことで、地域や天候によって発電状況が異なり、しかも不安定で間欠性の高い再エネ電力を、相互に補完しあうことで供給を安定化し、再エネの導入比率を大幅に高めようとしている。

 時差、季節差、電気料金の違いをうまく活用することで、経済性も向上し、「例えば、日本の電気料金は、20米セント/kWh程度に下がる」と見ている。

 国際間の連系では、政治的な課題が生じることも想定される。「もちろん、構築の過程で、局所的に利益の調整などをする必要が出てくるだろう。その際には、知恵を絞って長い目で考えて、従来の考え方を一新して解決する必要がある」(リュウ氏)。