国内アナログICメーカーの旭化成エレクトロニクスは、1989年に初版をリリースした内製の基幹EDAを市販のEDAへ置き換える。初版リリース以来、内製EDAはさまざまな形で強化してきたが、四半世紀を経て、市販EDAへと舵を切った。

西本 峰雄氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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図1●中央にある基幹EDAを内製(左)から市販(右)に替えた 基幹EDAは、回路図エディター、レイアウトエディター、アナログ・デジタル波形ビューワーである。旭化成エレクトロニクスのスライド。
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図2●内製EDAと市販EDA 旭化成エレクトロニクスのスライド。
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 入社以来EDAの開発・整備に関わってきたという同社の西本 峰雄氏(製品基盤技術部 主幹技師)が今回の移行に関して、日本シノプシスのプライベートイベント「SNUG Japan 2016」(2016年9月9日に東京で開催)で講演した(写真)。デジタルIC設計ではかなり以前に市販EDAへの移行が進んだが、自らの設計スタイルを重視するアナログIC設計では、内製EDAが主流のケースは少なくない。西本氏も、今回の講演で、内製EDAの利点のトップに「自社の設計スタイルに特化できる」ことを挙げている。

 ただし、これまでもすべてのEDAが内製だったわけではない。回路シミュレーションや回路合成、レイアウト設計検証などはすでに市販EDAを使っている。これらは基本的にバッチ処理のため、性能が重要で市販EDAが有利だからである。一方で、設計者が直接手に触れるEDAツールは設計スタイルに深く関係しており、基幹EDAとしてこれまでは内製だった。同氏が基幹EDAとしたツールは3つある。(1)回路図エディター(シミュレーションへのインターフェースを含む)、(2)レイアウトエディター(レイアウト検証へのインターフェースを含む)、(3)アナログ・デジタル波形ビューワー(シミュレーション結果を解析機能を含む)である。

 今回、これら3つのツールを、米Synopsys社のカスタム/アナログIC設計用統合EDAシステム「Custom Compiler」に置き換えることにした(図1)。プロセス微細化や回路大規模により処理性能の向上が必要になったことや、外部のリソース(ファウンドリーや設計サービス、IPコア)を活用する機会が増えたことがその背景にある(図2)。

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