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「空撮画像の解析までAIで自動化」、太陽光ドローン点検の難題を解消

2018/09/05 23:08
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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自動解析時の表示画面例
(出所:ソフトバンク・テクノロジー)
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解析の正誤率は93.5%に
(出所:ソフトバンク・テクノロジー)
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 ICT(情報通信技術)関連を手がけるソフトバンク・テクノロジーは8月29日、ドローン(無人小型飛行体)を使った太陽光パネルの不具合の発見サービスにおいて、人工知能(AI)を応用した自動解析を実用化したと発表した。

 同社のほか、環境やエネルギー関連向けのIT関連サービスを手掛けるエナジー・ソリューションズ(東京都千代田区)、M-SOLUTIONS(東京都新宿区)と共同で開発した(共同開発の関連ニュース)。

 ドローンを使った太陽光パネルの不具合の発見は、エナジー・ソリューションズがおもに展開してきた(関連コラム:空撮画像の分析も自動化、「誰でもできるドローン点検」目指す)。サービス開始以来、100カ所以上・合計出力400MW以上の太陽光発電所において、ドローンを飛ばして上空から赤外線カメラで太陽光パネルを撮影した実績があるとしている。

 エナジー・ソリューションズのサービスではこれまで、赤外線カメラを使って動画で熱分布の画像を撮影し、その後の解析では、今回のAIによる自動解析を実用化できるまでの過渡的な手法として、クラウドコンピューティング上で処理するところまでは進めていたものの、点検担当者が手動で位置と、4つに分類した不具合の種類を入力していた。

 具体的には、熱分布の動画を見ながら、不具合の可能性の高い太陽光パネルを見つけると、同じ画面内に表示されている発電所内のパネル配置図の該当する場所に、不具合の種類とともにマーキングしていた。

 今回、実用化したAIによる自動解析は、ソフトバンク・テクノロジーが開発した画像認識のアルゴリズム(ソフトウェアによる解析手法)を活用した。これを、M-SOLUTIONSが開発した、「Microsoft Azure」上の仮想環境で稼働する解析ソフトウェアと連携させることで、エナジー・ソリューションズの既存のクラウドコンピューティングによるサービス環境において、AIによる自動解析が実用化できた。

 これによって、出力2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の場合、太陽光パネルの不具合の解析を3分間に短縮したとしている。配置図上で位置を特定し、これまでと同じように4つの不具合の種類に分類してマーキングする。

 自動解析による正誤率については、開発当初の正解率の12.5%から、現在は93.5%に向上しているとしている。

 画像の分析と不具合の場所などの特定は、ドローンによる太陽光パネルの不具合の特定において、最も効率化の効果が大きい工程であることから、自動化が望まれていたが、実現できていなかった。

 今回の自動解析の実用化によって、解析時間の短縮とともに、熱分布の画像を見て不具合の有無を判断する必要がなくなったことから、「誰でも迅速・正確に検査や解析を実現できるようになった」と強調している。

 自動解析の技術は今後、エナジー・ソリューションズの太陽光パネル検査サービス「ドローンアイ」に適用していく。同社は、ドローンによる点検サービス企業や、O&M(運用・保守)サービス企業などと提携して技術や環境を提供し、提携先企業が点検に使う事業モデルへの転換を模索している。提携先による点検では、ドローンやITの専門家が従事するとは限らず、こうした誰でも簡単に検査できる技術や環境がより重要になる。

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