1. はじめに

 科学技術振興機構(JST)が今年で設立20周年を迎えた。JSTは科学イノベーションの総合的な推進機構として、卓越した研究成果を産業創造に結び付けるための活動を進めている。

 8月25~26日に東京ビックサイトで「JSTフェア2016」が開催され、筆者は26日に見学した。会場は西2ホールで、混雑はほとんどなく、ゆったり見学できた。本稿では、数多くの出展の中から筆者が興味を持った、東京工業大学センターオブイノベーション(COI)プログラム ビジョン2「以心電心」ハピネス共創社会について紹介する。

2. ハピネス共創社会のコンセプト

 東工大COIプラグラム ビジョン2では、「皆が多様な絆でこころが結ばれ、共感と思いやりのこころで感性を高め、いきいきと暮らせる社会」を「ハピネス共創社会」と定義している。このハピネス共創社会を構築するための先駆的サービスの社会実装を目指して、人の心や行間・空気まで伝える高度な以心伝心を最先端の人工知能(AI:Artificial Intelligence)、エレクトロニクス、および知性通信(Intelligent Communication)の技術により実現する。このことを「以心電心」と呼んでいる。

 具体的には、経験データベースやあいまい検索などのAI技術、充電不要なウエアラブルの「ゼロパワーハピネスセンサ・アクチュエータ」などのデバイス技術、およびオールバンド知性通信や高度ネットワークセキュリティーなどのネットワーク技術から成る、革新的なコアテクノロジーを実現する。そして、これらをベースに「以心電心」コミュニケーションサービスの実用化と社会実装を行う。

 図1に、「以心電心」ハピネス共創社会について示す。世代、文化、言語を超えて感情や真意まで伝えることができたら、どんな社会になるだろうか。こうした社会を形成する国は、繁栄し尊敬される国であろう。ハピネス共創社会の実現に、大いに期待したい。図2に、「以心電心」のプラットフォームを示す。

図1 「以心電心」ハピネス共創社会
東工大の資料。
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図2 「以心電心」のプラットフォーム
東工大の資料。
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