口之島沖での実証試験に向けた準備作業の様子
(出所:両者共同のニュースリリース)
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実証試験の場所
(出所:両者共同のニュースリリース)
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水中浮遊式海流発電システムの装置構成
(出所:両者共同のニュースリリース)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とIHIは8月25日、水中浮遊式海流発電システムの100kW級実証機の実証試験が完了したと発表した。鹿児島県口之島沖で実施した。

 トカラ列島付近の黒潮海流中に実証機「かいりゅう」を設置し、想定通りの性能を発揮することを確認したという。

 水中浮遊式海流発電システムは、海底に設置した重り(シンカー)から浮体式発電装置を海中に係留し、変動の少ない海流エネルギーを利用して発電する仕組み。特に日本の沿岸付近には、世界的にも有数のエネルギーを持つ黒潮などの強い海流が年間を通じて安定して流れている。

 実証試験では、7月25日から7日間、野間岬(鹿児島県南さつま市)沖の甑(こしき)海峡にて、「かいりゅう」を船舶で曳航することで黒潮に模した水流を発生させ、水中での挙動を確認する曳航試験を実施。定格流速毎秒1.5mで出力100kWの発電能力を確認した。

 さらに8月12日から7日間、鹿児島県十島村口之島沖の水深約100mの黒潮海域で、「かいりゅう」の設置と撤去工事を行い、実際の黒潮海流の中で水深約30~50mに浮遊させ、自律制御システムで姿勢や深度を制御しながら最大30kWの発電出力を確認した。また、海流特性や設置・撤去工事手法の精査など、今後の実用化に向けて必要な実海域での試験データを取得した。

 NEDOは、海流エネルギーを新しい再生可能エネルギー源として、特に離島などでの実用化を期待している。IHIは、今回の実証試験で得られたデータを今後の研究開発に活用し、2020年以降の実用化を目指す。