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風力発電や船舶用の超電導モーター、東京海洋大など開発

2018/08/17 11:58
工藤宗介=技術ライター
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超電導バルクモーター実証機の構造
(出所:東京海洋大学)
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 東京海洋大学とスイスABB、新日鉄住金は8月3日、出力30kWの超電導モーターの実証機を設計・製作し、回転試験に成功したと発表した。実証機の設計構造は、メガワット(MW)級のモーターや発電機に容易にスケールアップ可能で、電気推進船などの輸送システム、風力発電などへの応用が期待されるという。

 モーターの回転子に組み込む超電導磁石(磁界極)として、新日鉄住金が開発した高品質超電導バルク材(QMG)を複数組み合わせることで、大型磁石(バルク界磁極ユニット)を成型集成した。バルク界磁極ユニットは、モーターに組み込んだ状態で容易に着磁できる。また、バルク界磁極ユニットは標準化が可能で、30kWの実証機から大出力機まで同一規格・寸法仕様の界磁極ユニットを提供できる。

 超電導バルク材は、同じ物質の超電導線材を巻線したコイルと比べて、小さい体格・寸法で10T(テスラ)以上の高い磁場を発生できるため、大型超電導機器のコンパクト化に寄与すると期待される。その一方で、高品質で大面積の超電導バルク材の製造には制約があり、これまで大型超電導機器などへの適用は困難と考えられていた。

 実証機の実回転試験では、これまで最長360時間の負荷試験を含む合計700時間近く運転した結果、実証機の最大トルクは537Nmで、超電導バルク材を用いたモーターとしては世界最高値を記録したという。また、運転中の界磁極ユニットは良好な温度安定性(温度変動が±2度以内)と磁場安定性(減少率が磁場センサーの誤差範囲内である1%以内)を確認した。

 世界の用途別消費電力量の約半分はモーターが占めており、モーターの効率が0.1~0.2%改善しただけでも省エネ効果や省CO2効果は大きい。モーターの高効率化手段のひとつとして超電導技術の適用があり、世界中で超電動モーターの実用化に向けた研究開発が進められているという。

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