平均高度21kmの成層圏を飛行

 ゼファーは太陽光による電力のみを動力源とし、平均高度21kmの成層圏を飛行する高高度疑似衛星(HAPS)型の無人航空機(UAV)で、既存の人工衛星やUAV、有人航空機の間にあったギャップを埋めるために開発された(下図)。翼長は25m、重量は75kg未満。

「ゼファー S HAPS」の概要図。約26日間の初飛行に成功したことや開発された目的などが記されている
(出所:Airbus)
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 この高度で飛行可能な航空機は少なく、民間機では2003年に最後の営業飛行を終えた超音速旅客機「コンコルド」のみ、軍用機でもロッキードの開発した高高度偵察機「U-2」と「SR-71 ブラックバード」だけという。

 ゼファーは観測、監視、通信などの目的で民需と軍需の両方に応え、山火事や石油流出といった災害などの拡散を監視・管理するうえで革命的な能力を発揮することが期待されている。また、世界で変わりゆく環境的な地形・地勢を持続的に監視したり、通信インフラが未整備の地域に通信手段を提供したりする利用も見込む。

 太陽光のみを動力とする航空機の例では、太陽光だけで世界一周をのべ23日間の有人飛行で成し遂げた「ソーラーインパルス2」(スイス)が知られる(関連記事1:ソーラーインパルス2、太陽光だけで世界一周飛行を完了)。太陽光のみで成層圏を有人飛行するプロジェクトとしては、「ソーラー・ストラトス」が現在、開発を進めている(関連記事2:太陽光だけで成層圏への飛行を目指す「ソーラー・ストラトス」始動)。

 また太陽光ドローンに関しては、ソーシャルメディア大手の米フェイスブックなども取り組んでおり、2016年7月には90分間以上の試験飛行を成功させている(関連記事3:米フェイスブック開発の太陽光ドローンが初飛行)。