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自家消費太陽光+ICT農業、次世代ソーラーシェアを実証

ブルーベリーとサカキを栽培

2018/08/07 08:00
工藤宗介=技術ライター
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コミュニティ型次世代ICT農業モデル農場
(出所:スマートブルー)
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栽培作物はブルーベリーとサカキ
(出所:スマートブルー)
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 スマートブルー(静岡市)は、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)にICTや自家消費用蓄電池、防災拠点機能などを備えた「コミュニティ型次世代ICT農業モデル」を構築し、7月から運営を始めた。

 長く耕作不能な状態が続いていた農場に、同モデルを導入して農地として再生した。ICTシステムを導入し、営農環境計画(温度、湿度、土壌EC、PHなど)のほか、太陽光の発電量や故障も同時に監視し、点滴灌水システム、側面のビニールの開閉を遠隔制御する。ライブカメラや生育状況に合わせて移動できる無線カメラ5台を導入し、毎日の営農を記録する営農日記機能も備えた。

 太陽光パネルは、売電向けと自家消費用を別々に設置した。固定価格買取制度(FIT)で全量を売電するためのパネルは出力247.05kW。農地内で使用する電気(農業ICT、井戸用ポンプ、点滴灌水システム、ビニール開閉システム、夜間照明)を賄う自家消費用パネルは2.16kWとなる。太陽光パネルには、ジンコソーラー製の単結晶モジュールを採用した。

 自家消費用パネルによる電力で、農地内の使用電力をすべて賄える。容量6.5kWhの蓄電池を導入しているため、天候に左右されず営農を続けられる。災害時などの停電時も井戸用ポンプ、夜間照明、コンセントが使用でき、地域の防災拠点としても活用できる。

 栽培作物はブルーベリーとサカキ(榊)。設備導入にかかるコストはすべてスマートブルーが負担した。相対的に高単価の作物の苗を無償で支給し、収穫物を全量買い取る仕組みを構築することで営農のリスクを低減するという。

 なお、同農場は、営農型発電施設下における高い収益性が確保できる営農方法の確立、普及を目指すために構成された「静岡県営農型発電の高収益農業実証コンソーシアム」の実証実験圃場に指定された。今後2年間、静岡県農業局農業戦略課や静岡県果樹研究センター、学識経験者と共同で実証実験を行っていく。

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