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関川村、木質バイオマス発電の導入を「断念」

2018/07/27 14:00
工藤宗介=技術ライター
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自然に恵まれた関川村
(出所:関川村ホームページ)
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 新潟県関川村は、2012年から取り組んでいた木質バイオマス事業を事実上、断念した。6月7日の村議会において加藤弘村長が表明した。今後、第三セクターへの貸付金などの回収について検討を進めるとしている。

 関川村のバイオマス発電事業は、雇用確保と林業の振興を目的としたもので、平田大六前村長が立ち上げた。村が595万円を出資して立ち上げた第三セクター「株式会社パワープラント関川」と、米国企業との間を仲介するFUGEN(前パイロライザー・ジャパン)が中心となって事業を進めていた。

 当初は米パイロライザー社製のガス化発電設備を導入する計画だったが、発電量不足などにより頓挫。その後、高効率スターリングエンジンの開発を手掛けるとされる米HSSE(Hyperbaric Sterling Steam Engine)社が自ら資金調達を行って出力6.5MWの発電施設を建設することになった。この時点での事業費は約40億円の見通しだった。

 しかしその後、HSSE社による資金調達は一向に進展せず、計画の延期が繰り返されていた。また、パワープラント関川が事業資金として村から借り入れた3000万円についても返済が滞っている。借入金3000万円のうち、2520万円は調査・設計委託料としてFUGENに支払い済み、残りは役員報酬、外注費、備品、消耗品、リース料、旅費などに充てたとされ、資金が残っていない状況という。

 さらに、HSSEが主張するメガワット(MW)規模のスターリングエンジン設備についても、実現を疑問視する声が挙がっていた。世界各国の大学や研究機関などで現在、研究されているスターリングエンジンは数十kW規模に留まるという。HSSEは、高温高圧を活用することで高効率化したと説明していたが、現在までに商用化されておらず、関川村が初の商用設備になる予定だった。

 このほかにも、「村民説明会が不十分」「スターリングエンジンの技術仕様詳細が非開示」「基本計画が未策定」など、数多くの問題が指摘されていた。村議会では毎回質問が出されたほか、2017年には事業中止を求める住民訴訟が起こされていた。2017年12月に実施された村長選挙では、2001年から4期を務めていた平田前村長は出馬せず、これらの問題は、加藤新村長に引き継がれた形になっていた。

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